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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

『物語』

作者: ぎぎ
掲載日:2021/05/23

「今日で終わることにする」

「……そうか、今まで頑張ったね」

「そう、もぉ、無理。無理、ムリなのっ! こんな美しくしすぎて、残酷な世界に居たくない」

「ああ、君は、僕のように鈍く生きれなかった」

「ええ!えぇ、そうだわ。皆が普通に出来ることが、私には全力でやっとなの!」

「君は、さながら人魚、だね? 現代社会で息をするだけで肺を灼いてしまう。酸素を吸うほど呼吸が出来ない……。かなしいかな、かなしいかな……」

「……ふふっ。ヒトの世に生まれてしまった人狼さん。貴方こそ飢え渇いて嘆いていたじゃない?」

「……あぁ、僕は完全なるイレギュラー。自分以外のヒトが美味しく見えて仕方がない……。決して癒せぬ飢え渇きを抱えて生きる。いつか死ぬまで……。でも、君は約束どおり満たしてくれるんだろう?」

「ええ! 私は今、ここで終わりします。何一つ世界に残せない私は今こそ終わります! たったひとつあなたの飢えを満たして!」

「……僕だけの人魚姫。貴女だけが僕の飢えを満たしてくれる。最初で最後の愛しいひと」

「あとはお願い……もう赦して……」

「あぁ、終わりにしよう」

「最後にあなたの役に立てる。それだけが救いだわ」

「僕の飢えを唯一満たしてくれる君、その肉の味、血の香りを糧に未来永劫生きるよ? 人魚の肉を食べると不老不死になると言うしね」

「……ふふっ、生まれ変わりがあったら、もう一度私を食べさせてあげるわね?」

「……あぁ楽しみにしているよ……じゃぁ、ね?」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 明るくコミカルに書かれているのが、かなしさ切なさを引き立てている様に感じました。
[一言] 野菜がででくるオチかと思ったのですが〜⁇ あれー?あれー? めずらしいですね?
[良い点] 怖いというよりも、素敵だと感じました。(>_<)
2021/05/24 05:53 退会済み
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