【8】ポイズン・ブイエス・アンデッド
あーたのし^^
森の奥へと進む中、シンリナーから質問が飛んできた。
「ところで、王子様はなぜアンデッド族のメスを旅のお供に選んだのですか?」
「うーん…言うなれば一目惚れ、ですかね!」
「あらまぁ、中々大胆なお方なのですね!このようなお方に選ばれて本当に良かったですね、リナリアちゃん」
シンリナーの言葉を聞いたリナリアは、うつむいて何やら呟いているようだった。恥ずかしがっているのかとも思ったが、アンデッド族は肌色が変わらないのでわからない。
そんな会話をしていると、横の茂みから物音が聞こえてきた。
「…!魔物の気配がします、お二人共構えて!」
シンリナーが身構えると同時に、茂みから3体の魔物が勢いよく飛び出してきた。
「森ムカデか!」
現れたのはムカデのような姿の魔物で、体長は1メートル程はある。体はいくつもの硬そうな外殻で覆われており、それ同士が節で繋がっている。
「気を付けてください、この魔物は毒を持っています。」
「ならば、私が前線に立ちます。アンデッド族には毒はきかないので。」
そう言って、リナリアは魔物の前に立ちはだかった。
「私が囮になりますので、そのうちにお二人でお願いしまガフッ…!」
「リナリア!」
話している途中で、森ムカデがリナリアの首に噛みついた。すると、リナリアの白い首がみるみる内に紫色に変わっていくのが見えた。
「い…い、ま…です」
そう言うリナリアの表情は、少し強張っているように見えた。反射的にアルメリアは、森ムカデに飛び掛かった。
「うおおお!」 カンッ!
「硬くて剣が弾かれる!」
「王子様!殻と殻の間を狙ってください!節目ならば攻撃が通るでしょう」
「よし…!うおりゃあ!」 ザシュッ
「ほんとだ!攻撃が通ったぞ」
節を断ち切ると、森ムカデは数秒暴れたのち、絶命した。残るはあと2体。
「ア、ルメ、リア…様…次がっ…ハァ…来ま、す、はなれて…くだうっ!あっ!」
様子を見ていた残りの2体が、目の前のリナリアの両腕に飛びついた。噛みつかれた腕も首と同様に紫色に染まってゆく。
「この野郎共!」ザシュッ ザシュッ
一国の王子らしからぬ声を上げ、二体の森ムカデを一気にぶった切った。森ムカデはリナリアの腕からボトボトと落ち、絶命した。
「さすがは王子様だけのことはありますね。見事な剣裁きでしたよ」
「言ってる場合かよ!リナリア!大丈夫か!?」
膝をつき、ぐったりした様子のリナリアに手を伸ばす。
「痛くないか?苦しくないか!?」
「あ!いけませんっ!毒のしみ込んだ箇所に触れては!」
シンリナーが声を上げた時にはもう、アメリアは箇所に触れていた。
「うっ!うぐっ…く、苦し…」 ガリガリガリガリガリガリ… バタッ
アルメリアは苦しさのあまり激しく喉をかきむしった挙句、その場に倒れた。




