【6】イン・フォレスト・アンデッド
―エルフの森―
「やっと着いたな、エルフの森。ここまで来るのにモンスターに遭遇しなくてよかった。」
「ですが、戦わなければ新たなスキルを習得できません。」
「そ、そうだけど・・・」
リナリアの正論に返す言葉も出ない。だが、アルメリアはリナリアの傷ついた姿を見たくない一心だった。
「そんなことより、ここ初めて来たけど、綺麗な場所だな~。空気も美味しいし。」
エルフの森の中には、涼しげな風が吹き通っており、視線の端には澄んだ川が流れていた。植物の葉には、蛍光色に発光するものもあり、どこか神秘を感じる。
「さてと、誰かいないもんかな」
「地図によりますと、この道をまっすぐ進むと1つ目の集落があるようです。」
「よし、進もう。」
それからしばらく歩くと、木造の小屋がいくつも建っている場所に着いた。これが一つ目の集落だろう。集落に着くなり、一匹の人型で小型の妖精族が近づいてきた。
「ようこそ旅のお方。ここは善の妖精族の集落でございます。」
「初めまして。僕はアスター王国から来たアルメリアと申すものだ。ここへは・・・って、おい、どうした?」
小型の妖精族はこちらを見てキョトンとしていた。
「あ、あああああなたは!」
「あ、ばれちゃいました?そうです、僕は王族の・・・」
「アルメリア様、おそらく私のことです。逃げましょう。」
「え??」
訳が分からないうちにアルメリアはリナリアに手を引かれ、村の奥にある裏道へと走り出した。すると、急に小型の妖精族が叫びだした。
「不浄なる者が入ってきたぞおお!!森を守れえええええ!!」
『おおおおおぉぉおおぉライトボール!ライトボーライライトボール!ライ・・・———』
呼び声に応じ、大勢の妖精族が出てきて、一斉に光の玉を放ってきた。
「あれは光属性の魔法だ!」
光属性の魔法は、ゴーストや吸血鬼などの闇に潜むモンスターにしか効果がない。そのため、アルメリアは必死にリナリアを守りながら走った。
「しつこいな!どこまで追ってくる気なんだ!」
「旅のお方!こちらです!」
「お、おう!」
抜け道のようなところから突如現れた妖精族に導かれ、滝がある広間に着いた。
「あの者たちはここまでは追って来られないでしょう。」
「ありがとう、助かったよ。あ、こっちの女の子は・・・」
「その子はアンデッド族ですね。ですが、悪い者のようには見えませんね。」
「よかった。わかってくれるのか。」
一息ついたところで、妖精族との会話が始まった。
―続くー




