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となりにはアンデッド  作者: 仁ぐうす
火竜のオアシス
50/57

【50】レスト・タイム・アンデッド

オアシスの城から脱出し、走り続けて数分で“穏健派の集落”が見えてきた。

追ってきていた兵士たちは、4人を完全に見失ったようで、着いて来ている様子は無い。



「まさかこんなに早く着くとは…ここ結構遠いんだぜ?」


「中々いい魔法の使い方したんじゃないか?」


「あ、集落の前に誰かが立っていますよ?」



“ファスト”の効果により、すぐに集落の前までたどり着いた。

そこには、2人の門番らしき男が立っていた。



「そこで止まれぇ!お前らは何者だぁ…って、過激派の集落のラックとツグサじゃないか!?」


「それに、そっちは人間とアンデッドだぞ!?しかもボロボロだ!一体何があった?」



片方の門番はラックと言い争いを始めた。

もう片方の門番はアルメリアに状況の説明を要求してきた。



「僕は旅人のアルメリアと申します。こちらはリナリアという僕のパートナーです。」


「そうか、そのアンデッドは調教済みで害はないんだな。ならいいんだ。で、何があったんだ?」



アルメリアはこれまでにあった出来事を淡々(たんたん)と説明した。



「なんと!そんなことがあったのか…。さぞ辛かったろう。ひとまずこの村で休んでいくといい」


「いいんですか?」


「ああ。君たちはどうやら敵では無さそうだしな。俺たちは過激派とは違って心が広いんだ」


「何だとぉ!?もういっぺん言ってみろや!この平和ボケ野郎が!!」


「ラックさん落ち着いて…!せっかくのご厚意(こうい)なんですから素直になりましょうよ」



ラックは愚痴(ぐち)りながらもしぶしぶ了解した。

集落の中には、過激派の集落とは違い、ちゃんとした建物が立っていた。

集落を歩く穏健派の住人たちは、肌色が過激派よりも薄く、ピンク色に近い。



「ささ、お疲れでしょう。こちらの部屋でお休みになってください」


「ありがとうございます。本当に助かります」


「ふん!まぁまぁいい部屋じゃねえか!」


「ラックさん…」



4人は宿の部屋に案内された。

やっと落ち着ける場所に着いた4人は、溶けるように崩れ落ちた。



「はぁぁ~…何とか無事に来れて良かったですぅ~…」


「アマリスだけ置いてきちゃったけどね…」


「え、そうだったのですか?」


「ああ、人質にされちまった。…そういやぁお前、ベローズと約束したっつってたよな?それってどんな約束だよ?」



ラックの質問を受けると、アルメリアは真剣な顔になり、話し始めた。



「次城に戻ったら、僕はベローズのものになる。その代わりにアマリスを元に戻してもらう、そういう約束だ」


「な…なんだと!?ベローズのものになるなんてお前正気か!?約束じゃなくて…それじゃあ交換条件じゃねえかよ!」


「無論、なるつもりはないさ。だから、アマリスを助け出し、なおかつ自分も無事に生還できる方法をこれから考える…けど、今日はもう疲れた」


「…まぁ、詳しい話は休んでからにしませんか?私も魔力が枯渇して解毒魔法が使えない状態なんです」


「私もまだ手足が回復していません」


「そうだな、せっかく落ち着いたんだし、今はゆっくり休むとするか!」



4人はふかふかのベッドに寝転び、そのまま眠りについた。


村で一息つこう

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