【5】レッツ・イート・アンデッド
「ん・・・」
明るさを感じ、目を開けると、辺りはすっかり明るくなっていた。朝日の柔らかな光が、心地良く眩しい。そして横では、リナリアが料理をしているようだった。
「おはようございます。しっかり休めましたでしょうか。」
「おはよう。美味しそうな匂いだね、何を作ってるの?」
「肉に香辛料を振り、焼いています。」
そういえば、王国を出てから何も食べていない。肉の香ばしい香りと、香辛料の食欲そそるスパイシーな香りが鼻を刺激する。それに共鳴するかの如く、ものすごい勢いで唾液が湧いてくる。
「できました。しっかり焼いたので、安心してお召し上がりください。」
「おおおおお!すっごく美味しそう!」
大きな肉は、程よく焼きあがっており、お皿代わりの葉っぱには、肉汁が溢れていた。
「じゃあ、いただきます!」 がぶっ
肉におもいっきりかぶりついた。口の中いっぱいに広がる香ばしさと、そこから溢れ出る肉汁が、アルメリアを快楽へと導く。臭みが一切なく、あっさりしており後味も良い。素晴らしい、素晴らしいのだが、ひとつだけ気になる点があった。
「すごく美味しいんだけど、この肉なんか色が紫がかっているように見えるんだけど。」
「はい。その肉は私の太ももの一部でございますので。」
「ゔっ・・・!?」(ゾンビ肉!?)
思わず吐き出しそうになった。座っていてよく見えなかったがよく見ると、リナリアの太ももの裏から血が滴っていた。
「あの・・・お口に合わなかったでしょうか。」
「い、いや大丈夫・・・だけど、君の体は非常食じゃないんだかオエッ!」
「よろしければ、お口直しにこちらの果物をどうぞ。」
「その果物だけでよかったよ・・・。」
朝食を終え一息ついた後、行き先を決まるために地図を開いた。
「ここから北西に向かうと氷山があるのか・・・南東には火竜の洞窟・・・う
ーん、迷うなぁ。・・・ねえ、リナリアはどう思う?」
「私はアルメリア様の向かう先について行きます。」
「そ、そう?じゃあここから一番近いエルフの森で情報を集めよう。」
エルフの森は現在地から北東に約10kmにあり、森にはいくつか妖精族の集落が存在する。森に住み着くモンスターもそんなに凶暴ではないため、最初に向かうにはうってつけの場所だろう。
「それじゃ、行こうか!」
「はい。」
準備を整え、二人はエルフの森へ向かうのであった。
―続くー




