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となりにはアンデッド  作者: 仁ぐうす
旅立ち
5/57

【5】レッツ・イート・アンデッド

「ん・・・」



明るさを感じ、目を開けると、辺りはすっかり明るくなっていた。朝日の柔らかな光が、心地良く(まぶ)しい。そして横では、リナリアが料理をしているようだった。



「おはようございます。しっかり休めましたでしょうか。」


「おはよう。美味(おい)しそうな匂いだね、何を作ってるの?」


「肉に香辛料(こうしんりょう)を振り、焼いています。」



そういえば、王国を出てから何も食べていない。肉の香ばしい香りと、香辛料の食欲そそるスパイシーな香りが鼻を刺激する。それに共鳴するかの(ごと)く、ものすごい勢いで唾液(だえき)が湧いてくる。



「できました。しっかり焼いたので、安心してお召し上がりください。」


「おおおおお!すっごく美味しそう!」



大きな肉は、程よく焼きあがっており、お皿代わりの葉っぱには、肉汁が(あふ)れていた。



「じゃあ、いただきます!」 がぶっ



肉におもいっきりかぶりついた。口の中いっぱいに広がる香ばしさと、そこから溢れ出る肉汁が、アルメリアを快楽へと導く。臭みが一切なく、あっさりしており後味も良い。素晴らしい、素晴らしいのだが、ひとつだけ気になる点があった。



「すごく美味しいんだけど、この肉なんか色が(むらさき)がかっているように見えるんだけど。」


「はい。その肉は私の太ももの一部でございますので。」


「ゔっ・・・!?」(ゾンビ肉!?)



思わず吐き出しそうになった。座っていてよく見えなかったがよく見ると、リナリアの太ももの裏から血が滴っていた。



「あの・・・お口に合わなかったでしょうか。」


「い、いや大丈夫・・・だけど、君の体は非常食じゃないんだかオエッ!」


「よろしければ、お口直しにこちらの果物をどうぞ。」


「その果物だけでよかったよ・・・。」



朝食を終え一息ついた後、行き先を決まるために地図を開いた。



「ここから北西に向かうと氷山があるのか・・・南東には火竜の洞窟・・・う

ーん、迷うなぁ。・・・ねえ、リナリアはどう思う?」


「私はアルメリア様の向かう先について行きます。」


「そ、そう?じゃあここから一番近いエルフの森で情報を集めよう。」



エルフの森は現在地から北東に約10kmにあり、森にはいくつか妖精族の集落が存在する。森に住み着くモンスターもそんなに凶暴ではないため、最初に向かうにはうってつけの場所だろう。



「それじゃ、行こうか!」


「はい。」



準備を整え、二人はエルフの森へ向かうのであった。

―続くー


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