【44】ブレイク・ハート・アルメリア
「ア…リア!アルメリア!」
「…?」
自分を呼ぶ声にアルメリアは起き上がる。
「はっ!?処刑は…どうなったんだ?」
「俺が阻止した。ほら、そこに処刑人が倒れてるだろ」
床を見ると、処刑人ナズオウが泡を吹いて倒れていた。
「こいつ、“グロウ”かけたパンチ一発で倒れやがったんだぜ!見掛け倒しってやつだぜ!へへっ!俺も結構役に立つだろ?」
「そ…そうなのか…ありがとう」
アルメリアにはこれまでのような覇気がまるでなかった。目は虚ろで、調教された奴隷のように見えた。
「おい,大丈夫か?これから3人を助けに行くんだぞ?」
「これが…リナリアの苦しみだったんだ。心が…真っ黒に…」
「はあ?何言ってんだ!?さっきので頭やられちまったのかよ?」
「…うう…うあああ…」
アルメリアはついにラックの言葉に反応しなくなってしまった。
その様子を見て、ラックは怒り始めた。
アルメリアの胸ぐらを掴み、怒鳴った。
「こうしてる間にもあの女3人が傷つけられてるんだぞ!?1秒でも早く助けに行こうと思わねえのか!?おい!何とか言えよおっ!!」
「僕は…やっと、平等になれたんだ…!ははっ!ははははは!」
狂ったように笑い声をあげるアルメリア。
見かねたラックは、ついに怒りを爆発させ、アルメリアの左の頬を思いっきり殴った。
「いい加減にしろっ!!!」ゴッ!!
“グロウ”がかかっていたせいか、殴られたアルメリアは地面に強く叩きつけられた。
殴られた箇所は赤く腫れ、ラックの怒りの度合いを表しているかのようだった。
「お前がそんなに腑抜けた野郎だとは思わなかったぜ……俺は一人で行くからな!」
「…」
ラックは、そう言って処刑部屋を出て行ってしまった。
「…痛い…これも…アスター王国の…奴隷達の…苦しみ…」
アルメリアは、ゆっくりと床に寝そべった。
ラックは廊下を突き進む。
途中、拷問官に遭遇したが、拳でねじ伏せ、処刑部屋の場所を聞き出そうとした。
「おい!サラマンダーの女2人の処刑部屋はどこだ!?」
「ふん…貴様なんかに言うわけがなかろう!」
ラックが威圧をかけても、中々口を割らない。ラックは最終手段に出た。
ボキッ「ぐああああああっ!?」
「言わないなら…もう一本折ってやってもいいんだぜ?」
なんと、拷問官の左腕をへし折った。まさかの逆拷問。
ラックは今までの恨みを晴らすかのように、鬼の形相で問い詰めた。
「くっ…ここの廊下を突き当たりまで行くと分かれ道がある。そこを左だ」
「言えるじゃねーか。ま、どの道お前は殺すがな」ゴキッ
ラックは拷問官の首を思いっきり捻り、トドメを刺した。
そして、2人の拷問部屋へと急ぐ。
「待ってろ!今助けに行くからな!」
悲報 アルメリア、壊れる




