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となりにはアンデッド  作者: 仁ぐうす
火竜のオアシス
44/57

【44】ブレイク・ハート・アルメリア

「ア…リア!アルメリア!」


「…?」



自分を呼ぶ声にアルメリアは起き上がる。


「はっ!?処刑は…どうなったんだ?」


「俺が阻止した。ほら、そこに処刑人が倒れてるだろ」



床を見ると、処刑人ナズオウが泡を吹いて倒れていた。



「こいつ、“グロウ”かけたパンチ一発で倒れやがったんだぜ!見掛け倒しってやつだぜ!へへっ!俺も結構役に立つだろ?」


「そ…そうなのか…ありがとう」



アルメリアにはこれまでのような覇気がまるでなかった。目は虚ろで、調教された奴隷のように見えた。



「おい,大丈夫か?これから3人を助けに行くんだぞ?」


「これが…リナリアの苦しみだったんだ。心が…真っ黒に…」


「はあ?何言ってんだ!?さっきので頭やられちまったのかよ?」


「…うう…うあああ…」



アルメリアはついにラックの言葉に反応しなくなってしまった。

その様子を見て、ラックは怒り始めた。

アルメリアの胸ぐらを掴み、怒鳴った。



「こうしてる間にもあの女3人が傷つけられてるんだぞ!?1秒でも早く助けに行こうと思わねえのか!?おい!何とか言えよおっ!!」


「僕は…やっと、平等になれたんだ…!ははっ!ははははは!」



狂ったように笑い声をあげるアルメリア。

見かねたラックは、ついに怒りを爆発させ、アルメリアの左の頬を思いっきり殴った。



「いい加減にしろっ!!!」ゴッ!!



“グロウ”がかかっていたせいか、殴られたアルメリアは地面に強く叩きつけられた。

殴られた箇所は赤く()れ、ラックの怒りの度合いを表しているかのようだった。



「お前がそんなに腑抜(ふぬ)けた野郎だとは思わなかったぜ……俺は一人で行くからな!」


「…」



ラックは、そう言って処刑部屋を出て行ってしまった。


「…痛い…これも…アスター王国の…奴隷(どれい)達の…苦しみ…」



アルメリアは、ゆっくりと床に寝そべった。



ラックは廊下を突き進む。

途中、拷問官に遭遇したが、拳でねじ伏せ、処刑部屋の場所を聞き出そうとした。



「おい!サラマンダーの女2人の処刑部屋はどこだ!?」


「ふん…貴様なんかに言うわけがなかろう!」



ラックが威圧をかけても、中々口を割らない。ラックは最終手段に出た。



ボキッ「ぐああああああっ!?」


「言わないなら…もう一本折ってやってもいいんだぜ?」



なんと、拷問官の左腕をへし折った。まさかの逆拷問。

ラックは今までの恨みを晴らすかのように、鬼の形相で問い詰めた。



「くっ…ここの廊下を突き当たりまで行くと分かれ道がある。そこを左だ」


「言えるじゃねーか。ま、どの道お前は殺すがな」ゴキッ



ラックは拷問官の首を思いっきり(ひね)り、トドメを刺した。

そして、2人の拷問部屋へと急ぐ。



「待ってろ!今助けに行くからな!」






悲報 アルメリア、壊れる

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