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となりにはアンデッド  作者: 仁ぐうす
火竜のオアシス
43/57

【43】カウンター・アタック・ラック

アルメリアは、あまりの激痛に自我(じが)が崩壊しかけ、心の中に逃げ込んでいた。



「これが…今までリナリアが受けていた苦しみなのか・・・。暗くて…怖くて…痛くて……………心細い」



リナリアはアスター王国で捕獲され、アルメリアと旅に出るまでずっと拷問を受けていた。

その痛みをやっと知ることができた、そう思うアルメリアだったが…



「…違う。リナリアはアンデッド族で、死ぬことさえ許されなかったんだ。それに比べたらこんな痛み…生ぬるい」



暗闇の中、アルメリアの目からは光が消えた。




「次は…脚、いってみよっか♪」



処刑人ナズオウの拷問は続く。めちゃくちゃにやっているようで、ぎりぎり死なないように計算されているらしい。



「へっ…!やれる…もんなら、やってみろよ!」


「ん~?そっちはまだまだ元気そうだねぇ!」



ラックはナズオウを挑発した。

ナズオウの攻撃は気まぐれなため、少しでもタイミングを掴めるようにしたかったのである。



「でぇ~も…こっちのほうが反応面白いからなあっ!」


           ザギン!


「っ!ぐやあああっぁぁぁぁああああ“あ”あ“あ”あ“あ”…!!」


「うぅ~ん…いい叫び声だぁ!」



どうやら先にアルメリアの脚が切り落とされたようだ。



(くそっ!本当に気まぐれな野郎だ!でも、次は確実に俺の番だ…!)


「さあ、お待ちかねのそっちのサラマンダー君?いっちゃうよぉ~!」ブンッ



瞬間、ラックの体はまるで死を悟ったかのように、感覚が冴え渡った。

暗闇の中でさえ、空気の流れにより斧の軌道が手に取るようにわかる。

そして斧はラックの膝に触れた。



「………ここだぁっ!!!!!」ガンッ! ザリィッ!!



ラックは可能な限り膝を突き上げた。どうやら皮膚が削がれたようで、ひりひりと痛みがある。

だがそんなことはどうでもよかった。



(今!斧が床にぶつかった音が確かにした…!これで魔法が使えれば…)


         《ウィンド!!》



ラックは最後の力を振り絞り、魔法の発動を試みた。なぜか強化魔法ではなく、攻撃魔法を選んだ。

ラックの直感がこの魔法を選んだのだ。

すると、部屋中に風が巻き起こり、魔法の発動が確認できた。

その魔力に呼応(こおう)するかの(ごと)く、アルメリアの(ふところ)が緑に光り、2人を回復させた。



(この感じ…!アルメリアに助けてもらった時と同じだ!)


      《グロウ!!》バキバキッ!


「な、なにいいいいいいい!?」



ラックは体の回復を確信すると、強化魔法をかけ、拘束具を破壊した。



「よう、次はてめぇの番だぜ…処刑人ナズオウさんよお」





ラック反撃開始

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