【42】フィアー・ペイン・アンデッド
―アルメリア・ラックの処刑部屋―
「よし!決~めた!まずは腕を全部切り落としちゃおう!」
処刑人ナズオウは、処刑を開始した。
2人は目隠しをされているため、様子がわからない。
それに加え、椅子に電気が流されていて、何かを考えている余裕すら無い。
(くそっ…何か…何かできること…ねえのか…!)
「いっくよおおおおーーー!!」ブンッ
(…くるのか!!どっちだ!?)
2人は目隠しをされている分、声や音に敏感になっていた。
電撃を受けながらも、声のする位置や,斧の空を切る音がはっきりとわかる。
(今の声、俺からは少し遠かった………ってことは…!!)
ザクッ! ボトッ…
「ああああああっあ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”!!!!」
斧はアルメリアの左肩に振り下ろされた。突然の鈍い痛みに、アルメリアは激しく悶える。
「あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“!!」ガチャガチャガチャガチャ!
「ひひひっ!いい反応だねぇ~!こんな反応見せられたら興奮しちゃうよぉ~!さ、次!次いっちゃおうっ!」
(あの野郎…アルメリアからやる気か…?)
ザクッ! ボトッ…
即座に、次の斧が振り下ろされる音がした。
あまりに突然の痛みの訪れに、叫び声があがる。
「!?っう“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“!!!!」
「うんうん!こっちもいい感じぃ♪」
斧が振り下ろされたのはラックの右肩だった。腕の感覚が無くなると同時に、肩に激痛が走る。
(くそぉっ!こいつ不意打ちしやがった!!)
処刑人ナズオウは体が大きいため、どこからどこへ攻撃ができてもおかしくない。この事実は、ラックをさらに恐怖のどん底に叩きつけた。
「さ、どんどんいっちゃおうねぇ!!」
「や、やめてくれぇ…!」
アルメリアは、泣き声混じりの情けない声で叫ぶ。
「…その反応…………………
……ん最っ高だねぇ!!」
ザクッ! ボトッ…
「ッア“ア”ア“ア”ア“ア”ア“ア”…」
切り落とされたのはアルメリアの右腕。
アルメリアは、もはや声が枯れていておおよそ人間とは思えない叫び声をあげていた。
(くっ…次は…俺か…くそっ…意識が…!)
ラックは流血により、既に意識が薄れ始めていた。しかし、そのおかげで逆に冷静になりつつもあった。
(そうだ!魔方陣を一部分でも消すことができれば…この窮地を脱出できるかもしれねえ!)
アルメリアにはもう期待できない、そう感じたラックは、冷静を取り戻した頭で方法を考え始めた。
(ナズオウは床を傷つけないように寸止めをしてるな…。その証拠に、斧を振った後、床を抉る音が聞こえねぇ。ってことは魔方陣は割と近くにあるってことか!)
「はいっ!これで腕は全部おしまい☆」
ザクッ! ボトッ…
「っ…!ぐううううぅぅ!」
「ンん~?なんだか反応悪くなってきちゃったな~…」
ラックの痛覚は既に麻痺してきていた。電気にも鈍感になり、ただ筋肉が痙攣する程度にしか感じなくなった。
(わかったぜ…斧の軌道を変えちまえばいいんだ!あの野郎にとっての“予想外”を…起こしてやる!)
「それじゃあ、次は……
……脚、いってみよっか♪」
果たして拷問まがいの処刑を脱することはできるのか…?




