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となりにはアンデッド  作者: 仁ぐうす
火竜のオアシス
38/57

【38】デスパレート・シチュエーション・アンデッド

夜、アルメリアは眠れずにいた。まだ傷が痛む体を動かし、外の空気を吸いに出る。

そこには、いつものように見張りをするリナリアが立っていた。



「アルメリア様、眠れないのですか」



相変わらず無機質な口調で話しかけてくる。



「ああ、何だかね。…僕さ、君に何かしてあげたこと、あったかなって思って…」


「私はアルメリア様を守るためだけに存在しています。逆に何かをしてもらうなど、あってはならないことです」



砂漠の夜の冷たく吹き抜ける風が、まるで今のリナリアの心を表しているかのようだった。



「リナリア、寒くないか?何か羽織(はお)るものを…」


「必要ありません。アンデッド族には感覚というものが存在しませんので」



そうは言っているが、体は小刻みに震えていた。見かねたアルメリアは、自分の羽織っている毛皮をリナリアの肩に優しくかけてあげた。



「やめてください。こんな私に情けなど…」


「でも、寒いんだろ?我慢なんてしなくてもいいんだよ」


「…では、ありがたく」



リナリアの無機質な表情が少し(ほころ)んだ。すると、リナリアが話を始めた。



「私は、あなたの盾なのです。それなのに…いつも肝心な時にあなたを守ることができない。むしろ足手まといになっているのではないでしょうか…?」


「そんなことはない。リナリアはいつだって真っ先に守ってくれるじゃないか。それに、傍にいてくれているだけで充分助かってるんだ」


「それだけではダメなんです…!アルメリア様を完璧に守り通してこそ私の存在価値があるのです!ですが…私には無理のようです…。お供失格ですね…」


「そんなことない!考えすぎなんだよ。少なくとも僕は…――」



アルメリアが言いかけた時、遠方から何かが大勢走ってくる音が聞こえた。



ザッザッザッザッザッザッザッザッザ!


「あ、あれはオアシスの兵士!?しかも魔物まで連れてる!」


「アルメリア様!下がってください!ここは私がっ…」



瞬間、遠方にいる兵士が玉を飛ばしてきた。


ボンッ! ボシュ――――…


玉は地面に落ちると同時に破裂し、粉を噴出(ふんしゅつ)した。

粉を吸ったアルメリアは、意識が薄れ、倒れてしまった。


「ううっ…?」 バタッ


「アルメリア様っ!?…これは、眠り粉!?まずい…巣穴の皆にも伝えなければ!」



粉の影響を受けないリナリアは、非力な腕でアルメリアを引っ張り、ラックの巣穴まで戻ろうとした。しかし、予想以上に敵の進行が早く、追いつかれてしまった。



「ふう~む、反逆者というのは貴様らのことか…。者共!こやつらをひっ捕らえよ!」


「「「「はっ!」」」」



兵士長らしき人物が命令すると、周りの兵士が一斉に飛び掛かってきた。

絶体絶命の中、リナリアは(つぶや)いた。



「た…助けて…アルメリア様…!」


絶体絶命、このあとどうなる

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