【34】ディフェンス・ビレッジ・アンデッド
ついに集落防衛戦が始まった。
「行くぞアマリス!」
「オッケー!」
アルメリアとアマリスは勢いよく飛び出した。そこへ、ラックが強化魔法をかける。
《ファスト!》 《グロウ!》
兵士たちは大剣構え、襲ってきた。そして、互いの武器がぶつかり合う。
ガアアン!グググ…「何っ!?」
しかし、“グロウ”の効果により攻撃力の上がったアルメリア達の方が一枚上手。武器に多いっ切り力を込め、強引にねじ伏せた。
「うおおおーーっ!」 ガァン!!
「ぐわあぁぁっ!」
兵士たちは一旦動きを止め、戸惑っている様子だった。
「おい、なんかいつもと雰囲気違わないか?」「あれ、人間だよな?」「くそっ、聞いてた話とちがうじゃねえか」
「アルメリア!よくわからんが今がチャンスじゃないか?」
「そうだな!」
動きの止まっている兵士達に突っ込み、アルメリアは新技の“大回転切り”を放った。
「おりゃああっ!」 ザギイイイイン!
「「「「うぎゃああああああああああ!!」」」」
命中した兵士達はバタバタと倒れ、毒の追加効果でじわじわと体力が削られていく。
「まだまだぁーー!」
「そっちがその気なら…!」 ザグッ
毒に侵されながらも立ち上がる兵士には、アマリスがトドメを刺した。
これで前線にいる兵士はすべて倒した。
すると、住人達が集まってきた。
「おお…なんてことをしてくれたんだ…」
「え?」
住人たちの反応は思っていたものとは違った。
「こんなことしたら、さらに酷い目に遭わされるに違いねえ!」
「そんな…あたしたち、初めてここを防衛できたのよ!?それなのに喜ぶことさえ許されないわけ!?」
「もう、おらたちは戦闘には出ねえ。お前らで勝手にやってくれ」
「なんだと!?お前ら、この集落を守りたくないのかよ!!お前らの気持ちはそんなもんだったのかよぉ!」
「二人共…もういいんだ」
アルメリアは必死に叫ぶラックとアマリスを宥めた。すると、住人たちは静かに巣穴へと帰っていった。
「きゃあああああーーーーーっ!!」
その時、集落の後ろ側から女の叫び声が聞こえた。
「何だ!?」
アルメリア達は叫び声が聞こえた方向へと向かう。するとそこには、四肢を失い、だるま状態のリナリアと、腰を抜かし怯えるサラマンダー族の女がいた。
「どうした!?」
「い、今…ここに大きなトカゲが…!」
アルメリアは周りを見回す。しかし、そんな影は見当たらなかった。すると、いきなりリナリアが叫び声をあげた。
「アルメリア様!後ろです!」
「はっ!」
急いで振り向くと、自分よりも大きい2足歩行のトカゲが大口を開いて立っていた。
グギャアアアアアアアアア!!
「メリア危ない!」「おりゃあ!」
アルメリアのすぐ横にいたアマリスとラックは、咄嗟に大トカゲの口を押し返し、攻撃を防いだ。
「ありゃリザードマザーか…しかも頭にオアシスの紋章がついてやがる…こいつはおそらく“使い魔”だ!」
「何だと!?オアシスではモンスターの調教をしているのか!?」
「どうやらそうらしいわ。でもその話はコイツを倒してからにしましょ!」
思いがけないハプニングに混乱するアルメリア。
しかしまずは、この戦闘を終わらせるため、再び剣を構える。




