【32】トレーニング・アンデッド
サラマンダーの集落から少し離れた場所で、アルメリア達はサボテン相手に特訓をしていた。
「こりゃあいいや!同時に食料調達までできるぜ!」 ザシュッ
「こんなの柔らかすぎて特訓にならなくない?」 ザグッ
ラックは槍を、アマリスは斧を武器として扱っているようだった。
「女の子が斧って…なんかごついな…」
「あたしの魅惑のボディーに見合うのは斧しかないのっ!メリアもどう?斧、いいわよ~?」
「メリアって…僕の事?」
「うん!だってアルメリアって名前長いんだもん」
「まあいいけど」
「おい!うるせーぞ筋肉女!お前は黙ってサボテン切ってろ!」
せわしなくサボテンを切っていると、リナリアが魔物の気配を察知したようだった。
「みなさん、魔物の気配がします。それも大群のようです」
「お、ちょうどいいじゃん!特訓の成果を見せてやる!」
「まだ始めたばっかでしょーが」
そうこう言っているうちに、魔物がぞろぞろ歩いてきた。大きいトカゲのような姿で、長い尻尾を持っている。
「リトルリザードの群れか…新技の練習には丁度いいな」
「油断するなよぉ…こいつの鱗は結構硬いからな!」
「ならあたしの斧でぶった切るまでよ!」
アルメリア達はリトルリザードに囲まれた。両者出方を伺う中、ついに相手側から襲い掛かってきた。
ギャオオオオオス!
「いっくわよおー!」 ブンッ ザアン! グワッ!!
アマリスは斧を振りかざし、見事魔物を一刀両断した。
「っしゃあー!どうよ!?」
「うっわ~、えげつねえ…でも俺も負けてらんねえぜ!」シュッ ザシュッ!
ギャウッ!!
ラックは鱗の薄い部分を狙い、見事魔物を貫いた。
「そらっ!俺もやってやったぜぇ!」
ついに魔物が一斉に飛び掛かってきた。
「ここは僕の出番だ!みんな、離れて!」
アルメリアは腰を低く構え、剣に魔力を通す。そして、魔物と接触する直前、体を軸に剣を思いっきりぶん回した。
ブオンッ! ギャオオオオオオオオオオ!
魔物達に等しく斬撃が入った。ダメージを受けた魔物はバタバタと倒れていく。
「これが新技、魔力を用いた広範囲攻撃の“大回転切り”だ」
「おお!やるじゃんお前!ただのひょろい旅人じゃなかったんだな!」
「アルメリア様に対する侮辱は私が許しません」
「お~、こわいこわい」
2人の会話を他所に、アルメリアは倒した魔物の傷口が気になっていた。
(傷口が紫色になってる…これは毒か?…まさか僕の剣…)
なんと、エルフの鍛冶師が作ってくれた剣には、毒属性が付与されていた。
「やっぱ最高だよ…あの鍛冶屋…!」
ラックとアマリスの戦闘力拝見、アルメリアの新技開発、それに剣の新事実の発覚と、有意義な時間を過ごしたところで、1日目は終了した。




