【30】レボリューショナイズ・アンデッド
2人は、巣穴でラックの帰りを待つ。
しかし、いくら待っても戻ってこない。
「もしかしてさっきの戦いで死んだんじゃ…!」
アルメリアはしびれを切らして立ち上がった。すると、巣穴の入り口に人影が写った。
「アルメリア様、もしかしたら敵かもしれません、下がっていてください」
身構える2人。影はゆっくりと近づいてくる。そして、姿が部屋の明かりに照らし出された。
それは、傷だらけのラックだった。
「よお…!ちょっくらドジっちまった…ったく、ほんとよえーなぁ、俺たちは…」
そう言ってその場に倒れてしまった。
「ラック!!どうしよう…回復魔法なんて使えないぞ…!?あ、そういえば…」
アルメリアはシンリナーに貰った緑色の結晶を取り出し、ラックに近付けてみた。
すると、結晶から緑の光が放たれ、ラックの傷がみるみる回復していった。
「やっぱりそういうものだったのか!ありがとう…シンリナー様!」
ラックはたちまち元気になり、勢いよく起き上がった。
「まさかお前、助けてくれたのか!?恩に着るぜ!」
「元気になってくれて良かったよ。だいぶ無茶したんだろ?」
「ああ、ここの集落の戦力もだいぶ減っちまったからな。その分、俺たちが頑張んなきゃならねえんだ」
「なあ、ここでは一体何が起こってるんだ?同種族で争うなんて…」
「いいだろう、ちょっと長くなるが教えてやるよ」
そう言うと、ラックは真剣な顔になり話を始めた。
「この砂漠地帯には、貴重な水源である“オアシス”が存在する。その周辺には大きな村が点在していて、元々は俺たちもそこに住んでいたんだ。でも、段々と格差が生まれて、肌の色素が薄い者は弱き者とみなされ、ついには村から追放された。んで、追放された奴らが集まり、何とか今の集落を形成しているんだが、どうやらしぶとく生き残ってる俺らが目障りらしい。たびたびオアシスの兵士を送ってきやがるんだ。それで、このザマさ」
「なるほど…要するに差別ってわけだな…にしてもひどい内容だ…」
リナリアは差別という言葉に反応し、ピクリと動いた。
「あいつらも同じサラマンダー族だってのに…色が違うだけで下位種扱いするなんて許せねえ!挙句の果てには“俺たちは上位種のイフリート族だ”なんて言い始めやがって!」
「どうにか友好関係でも築けないかと考えたけど、まずはこっちの力を見せつける必要があるみたいだな」
「見せつけるっつってもよお、さっきのであの有り様だぜ!?一体どうしろってんだよ!」
途方に暮れるラックに対し、アルメリアは提案をした。
「次の戦い、僕に指揮させてくれないか?」
「はあ!?お前が?あいつらをまとめるなんてぜってー無理だぜ!?」
エルフの森での戦闘で自信をつけたアルメリアは、決心した。
「僕を信じてくれ、この砂漠地帯に革命を起こして見せる」




