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となりにはアンデッド  作者: 仁ぐうす
火竜のオアシス
27/57

【27】モード・リセット・アンデッド

新章開幕

—アスター王国 王室—


王と王妃(おうひ)が話をしている。



「メリアちゃん、無事かしら…心配ですわ」


「心配することはない。あの子ならきっとやり遂げるだろう」


「でも…サンセマムの例もありますのよ。もうこれ以上我が子を失うのは…!」


「落ち着いてくれ。大丈夫、あの子は強い。だから信じよう」


「…そうですわね、私としたことが…すみません。取り乱してしまいましたわ」


「最近の魔物大量発生の問題で疲れているのだろう。少し休むといい」


「ええ、そうさせていただきますわ」




—リフレル草原—


エルフの森と火竜のオアシスの間に広がる、緑豊かな草原。

涼しい風が吹き抜け、空気もおいしい。

アルメリアとリナリアは、優しい日差しを浴びながら、黙々と進んでいた。



「ここからオアシスまでは3日くらいはかかるだろうな…」


「エルフ達からたくさん食料も頂きましたし、少しゆっくり進みましょう」


「そうだね」



初めて旅に出た時と比べ、だいぶ打ち解けあった2人は、時折(ときおり)話をして笑い合いながら進んだ。

1日目は魔物も現れず、平和に終わった。

そして2日目、なにやら朝から悩んでいる様子のリナリア。



「どうしたの?何か悩み事でもあるの?」


「いえ、大したことではないので…」



そうはいっても、かなり深刻そうな顔をしていたため、アルメリアは心配になった。

その後、草原をひたすら進んでいると、(おおかみ)のような魔物に遭遇(そうぐう)した。



「あれはリーフウルフか!でも、今の僕らなら楽勝だな!」


「ちょっと待ってください。私、試したいことがあるんです」



そういって、魔法の詠唱を始めた。その間にリーフウルフが(するど)い爪で(おそ)ってくる。



「おっと!」   キイン!



アルメリアは新しい剣で弾き返した。そして、リナリアは魔法を放った。



          《アスディアロ!》



すると、チェンスの時のように、黒い霧がリーフウルフを包み、消えていった。

リーフウルフはパタリと倒れ、息絶えたようだ



「や、やはり…この魔法は…」



リナリアが取得した魔法は、特定の相手を死へ(いざな)う“即死魔法(そくしまほう)”だった。

それを知ったリナリアは、頭を抱え、急に震えだした。

アルメリアはその様子に驚き、急いで駆け寄る。



「お、おい!どうした!具合でも悪いのか!?」


「やはり…私が…私が…チェンスを…!」



その言葉を聞き、アルメリアはあの状況を思い出す。



「違う!あの時点でチェンスはもう助からなかったんだ!むしろ安らかに眠らせてあげられたんだ。だから、リナリアは何も悪くないんだよ!」



必死に(なぐさ)めるも、聞こえていないようで、何かをぶつぶつ(つぶや)いていた。



「やはり、わたしはただの人外種(モンスター)なんだ…だから、感情なんて…」



そう呟くと、急に落ち着きを取り戻し、立ち上がった。

その表情は、最初の頃の無機質なものに戻っていた。



「ご心配おかけして申し訳ございません。では、進みましょう」


「あ、ああ」



リナリアはまた元の状態に戻ってしまった。

気まずい空気のまま、2人は草原を進む。


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