【24】ネクスト・デイ・アンデッド
3人は何とかエルフの村にたどり着いた。村の入り口には、大勢のエルフ達が待っていた。
「よく無事に戻ってくれた!!」「魔物討伐万歳!!」「本当にありがとう!!」
「…?誰にも話さずにこの村を出たはずでしたのに…なぜ?」
エルフ達が賞賛の声を上げている脇で、鍛冶屋の亭主が手でグッドマークを出していた。
「ふふっ…やってくれましたわね」
「ほんと、いい村だよ。ここは。」
3人のもとへ、一人のエルフが歩いてきた。
「精霊様ご一行、この度は凶悪な魔物の討伐、大変ご苦労様でございました!この村の代表として、心より感謝申し上げます!これで聖域にも魔力が戻ることでしょう」
「そんなことより、ここにいる皆に言いたいことがあるんだけど、いいかな?」
「もちろんでございます!ぜひ、勇者様のお言葉をお聞かせください」
アルメリアは深く息を吸うと、背負っていたチェンスの亡骸と肩を組み、話しを始めた。
「皆さん!今僕の横にいる村人をご存じでしょうか?彼は、危険な魔物の討伐に、危険を顧みず同行してくれた、勇敢な戦士です!僕たちが無事に帰ってこれたのも、彼の犠牲あってこそなのです!ですからどうか、彼をこの村の英雄として、後世に語り継いでいただきたい!」
「この偉大なる英雄の名は…… “チェンス”!!!」
「うお~~っ!よくやってくれたよ!」「あのお調子者がねえ…グスッ」「何だよ!一人だけかっこつけやがって!うわあああ」
エルフ達はチェンスに賞賛の声を上げ、大きな拍手が鳴り響いた。
アルメリアは体力の限界が来たのか、そこで意識を失った。
「…様 アル…リ…様 アルメリア様」
自分を呼ぶ声に、目を覚ます。横には完全回復したリナリアが座っていた。
「…僕は、あれから…どうしたんだ?」
「途中で倒れて、宿屋に運び込まれたのですよ」
「そうだったのか…そうだ、シンリナー様は?」
「はい、そのシンリナー様に、アルメリア様が起きたら呼んでくるよう言われました」
「わかった、今行くよ」
アルメリアの傷も完全に無くなっていた。だが、血を流しすぎたせいか立ち眩みが起き、体勢が崩れる。
そこへ慌ててリナリアが支えに入った。
「ご、ごめん…まだ少し調子が悪いみたいだ」
「無理しないでください。支えますから、一緒に歩きましょう」
肌と肌が密着する。女の子とこんなに密着したことのなかったアルメリアは、状況を再確認し、顔を赤らめた。
「アルメリア様、顔が赤いですよ?もしや残った毒で熱が…!?」
「そんなことない大丈夫!さ、行こう行こう!」
外に出ると、村の中央にシンリナーが待っていた。
「あら、勇者様のお目覚めね。よく眠れたかしら?」
「うん、おかげさまでね」
「シンリナー様、話とは何でしょうか?」
「ええ、これからチェンスの葬儀がありますの。それにどうしてもあなた達に参加してほしいと村の者が言うものですから、案内役として待っていたのですわ」
「そうか、チェンスは…」
昨日の出来事を思い出したアルメリアは、溢れ出てくる涙を、上を向きぐっとこらえた。
「葬儀でなら、思いっきり泣いてくださっても構いませんのよ。さあ、参りましょう」
そういうシンリナーも、すでに涙ぐんでいた。
3人は悲しみを押し殺しながら、葬儀会場へと向かった。




