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となりにはアンデッド  作者: 仁ぐうす
エルフの森
21/57

【21】ラスト・ホープ・アンデッド

チェンスは弓から槍に持ち替え、アルメリアと共に走る。

毒怪蝶(どくけちょう)は近づかせまいと、連続で毒液を放つ。しかし、シンリナーのピンポイントバリアにより弾かれる。



「くらえぇ!“ウィンドスピア”!」 ズブシャッ



チェンスの、風魔法を武器に(まと)わせた突きが、毒怪蝶の胴体に刺さり、炸裂(さくれつ)する。



「いっけええー!」 ブオンッ  ザァンッ



続いてアルメリアの“飛ぶ斬撃”が、毒怪蝶の8本ある(あし)の内の右半分を切り落とした。



       ピギャアアアァァ!! ズウン…



脚を()たれ、毒怪蝶は大きくバランスを崩す。そこに間髪入(かんぱつい)れずにアルメリアが強靭(きょうじん)(あご)に切りかかる。  



「うおりゃあ!」 ガイン! ボロッ



剣が刃こぼれしたが、見事切り落とすことに成功した。

多大なダメージを受けた毒怪蝶は、ピンク色の体液を流し、明らかに弱っている素振(そぶ)りをみせた。



       「「とどめだぁぁ!!」」



アルメリアとチェンスは大きく振りかぶり、最後の一撃を放つ……



ガジッ 「うっ!?」「がっ…」




寸前(すんぜん)に、何者かに不意打(ふいう)ちを食らい、その場に倒れた。



「あ、あれは…森の魔物たち!?」



なんと、毒怪蝶の周りに魔物の軍勢が(むら)がってきた。

アルメリアとチェンスは、森ムカデの不意打ちにより、毒を食らってしまったのである。



「な…なんで…急に…魔物たちが…?」


「アイツの体液だ…!ピンク色の体液が…雑魚(ざこ)を呼び寄せるフェロモンを放ってやがった…!」



瀕死の毒怪蝶の、最後の抵抗であろうこの状況は、アルメリア達に再び絶望を与えた。



「私は…一体どうすればいいですの!?魔力もあと少ししかありませんわ!」


「アルメリア様が魔物の大群に…!は、早く!早く助けに行かなくては…!」



急に一転した状況に、シンリナーとリナリアはパニックに(おちい)った。

体の自由を奪われたアルメリアとチェンスは、虫型の魔物たちに少しずつ体を食いちぎられていた。毒の効果で痛みも麻痺(まひ)し、もはや(さけ)ぶ気力もなくなっていた。


そんな状況でも、アルメリアはまだ諦めていなかった。

今にも閉じてしまいそうな眼を必死にこじあけ、かすれた声で力なく語り掛ける。



「チェ、ンス……生…きて、る…か…」


「あ、ぁ…な、んと…かな…がふっ…」


「チェン、ス…槍、まだ、持って…る、か?」


「ある…ぜ」


「そ…れ…風、で…前…に——!」 メリッ



話途中でアルメリアの首が食いちぎられてしまった。話を聞いたチェンスは、アルメリアの意図を考える猶予もなく、それに全てを()けることにした。

        

       《ウィ、ンド…!》 ヒュゴォッ! 



チェンスは最後の力を振り絞り、風魔法で槍を前方に飛ばした。

その先には、2人を助けようと走ってきていたリナリアがいた。



「チェンスの槍…?」



リナリアは、それを反射的にキャッチした。その瞬間、リナリアの心にどこからともなく使命感が()き上がった。



「私が…やるんだ…!」



アルメリアとチェンスにより(つむ)がれた希望は、最後、リナリアに(たく)された。


希望は託された!

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