【2】デパーチャー・アンデッド
あ、デパーチャーってのはdepartureです。
今日は旅立ちの日。朝から大勢の兵士や国民に見送られ、門へと歩いていく。
「アルメリアよ。この旅を経て立派に成長した姿で戻ってくるのを楽しみにしておるぞ。」
「メリアちゃん・・・いいこと?危なくなったらすぐ戻ってくるのよ・・・!」
「わかりました、父上。必ずや竜の首を持ち帰り、献上致します。母上、ご心配有難うございます。必ず無事に帰還します。」
しばしの別れの言葉を告げ、まだ見ぬ外の世界へと旅立つ。
「そういえばハーフアンデッドの子がまだ来ていないな。」
不思議に思い、ふと振り返ると、アルメリアの父親である国王から、何かを告げられているようだった。
「・・・遅くなり申し訳ございません。それでは参りましょう。」
「父上・・・いや、国王から何か言われていたようだけど。」
「お気になさらずに。私はあなた様の、ただの盾でございます。」
「そっか、じゃあ行こうか!」
パシッ
アルメリアは彼女の手を取り、颯爽と走り出した。
広大な大地一面に、見渡す限り広がる草原。それを優しく照らす太陽の光。ここは、アスター王国領。
「あの・・・アルメリア様・・・その・・・」
「どうしたんだ?」
「汚らわしい私の手など触れてはいけません、離していただけないでしょうか。」
「へ?」
あまりの自己否定っぷりにさすがに驚いた。しかも、それを真顔で言うものだから、余計に哀れみの情が湧いた。
「そういえばさ、君の名前は?」
ふと名前を聞いていなかったのを思い出し、明るく問いかける。
「・・・名前などございません。」
そう言い放った時の表情は、なんとなく悲しそうに見えた。
(しまった・・・明るさを意識したのに、また雰囲気を暗くしてしまった・・・!)
「え、えーっと、じゃあなんて呼べばいいかな?」
「どうとでもお呼び下さいませ。」
「一番困る回答だな・・・」
どう質問しても無機質な回答が返ってくる。これも、王国の兵士に調教されたせいなのだろうか。そんなことを考えていると、野生の人外種が目の前に現れた。
―続く―
自分が飽きない限り続くであろう。




