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となりにはアンデッド  作者: 仁ぐうす
エルフの森
17/57

【17】バトル・インセクト・アンデッド

前座

一行は聖域へと急ぎ足で向かっていた。



「なー、もう少し仲間連れてきてもよかったんじゃねーか?」


「ダメですわよ、極力(きょくりょく)村を手薄(てうす)にするわけにはいきませんでしょう?」


「そうだな、僕たちだけでカタをつけるのが最善策(さいぜんさく)だ。だけど…正直心配ではある」


「心配いりません、アルメリア様がくださったこの装備があればきっと勝てます」



リナリアは元の無機質(むきしつ)な表情に戻っていたが、目はキラキラと輝かせていた。



「どんだけその装備気に入ったんだよ…使い古しみてーなもんだろ?」


「チェンス~~…あなたやっぱり何もわかってませんわねぇ~!この子にはそれがいいんでしょうが!」


「楽しく話してるところ悪いんだけど、魔物の気配(けはい)がする…」


「どうせ雑魚(ざこ)しかでてこねーだろ」


「そうだろうけど…何か様子がおかしい…」



聖域へと続く道はもう半分ほど進んでいる。それなのにこれまで一匹も魔物と遭遇(そうぐう)していなかった。何か嫌な気配を感じるアルメリアは、反射的に身構(みがま)えた。



「お、おい…マジでヤバイ空気なのかよ!?」


「ヤバイなんてもんじゃない…これは…」



アルメリアがそう言いかけた瞬間、左右の(しげ)みから一斉(いっせい)に魔物の大群が飛び出してきた。



「これは奇襲(きしゅう)だ!」


「あれは”(ひら)カブト”ですわね!平たい(つの)は切れ味抜群(ばつぐん)なのですわ、気を付けてくださいまし!」


「気を付けるっつってもよお!おい!飛び掛かってきたぜ!どうするよ!」



平カブトの大群は左右に横一列で綺麗(きれい)整列(せいれつ)し、もの凄い速さで(せま)ってきた。



「ギロチンのつもりなのか!?これは一旦避(いったんよ)けるんだ!」



アルメリア達は左右へスライディングして回避(かいひ)した。ところがチェンスだけは避けていなかった。



「こんな雑魚、俺がぶっ倒してやるぜ!」



チェンスは連続で矢を放つ。しかし平カブトの硬い外殻(がいかく)に弾かれてしまった。



「う、嘘だろ…」



ギロチンはチェンスの胴のもうすぐそこまで迫っていた。



「終わった…」   キイイイン!


「…あれ?俺生きてる!?」


「これが…装備の力…!」



なんとリナリアがヘルムと腰当(こしあ)てを(はず)してギロチン部分に当てて防いでいた。



「う~ん…なんか装備の使い方間違ってる気がするけど、サンキュー!助かったぜ!」


「アルメリア様以外を守るのは不本意(ふほんい)ですが」


「油断しないで!次がきますわよ!」



魔物の大群がさらに陣形(じんけい)を変えて(おそ)ってくる。



「今度は縦一列で来たぜ!」


「よし、狙いやすい!一斉射撃(いっせいしゃげき)だ!」



シンリナーとチェンスは一斉に風魔法と弓を放つ。しかし、魔物は陣形を瞬時(しゅんじ)に変え、攻撃を避けた。



「くそっ!あいつらまとまって避けやがった!」


「いや、今だ!」



アルメリアは技を瞬時に放てるように、あらかじめ剣に魔力を通して構えていた。



「いっけええぇぇ!」 ズバシュッ



前回よりも大きな光の刃が魔物の(かたまり)に向かって飛んでいく。だが、分散してそれを避けようとしていた。



「だめかっ!?」


「させませんわよ!弱めのバリア!」



シンリナーは魔力密度(まりょくみつど)の低いバリアで敵を囲み、位置を固定させた。結果、光の刃は見事的中し、バリアごと魔物を切り刻んだ。バリア内にいた魔物はほぼ全て壊滅(かいめつ)した。



「あとはほんとに雑魚ばっかってわけだ!くたばりやがれ!」



残った魔物はチェンスの見事な射撃により全て()ち落とされた。



「これは前座(ぜんざ)ってことかしら…中々(いき)なはからいですわね」


「前座でこの有様(ありさま)だ、親玉との戦闘はもっと激しいものになるだろうな…皆、気を引き()めて行こう!」


「おう!」 「はい」 「了解ですわ」



一同は緊張しながら、ついに聖域へと足を踏み入れる。



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