【12】ファイト・アズ・ワン・アンデッド
一致団結
「我が名はアルメリア・アスター!アスター王国の王子なり!」
「アルメリア様…!?」
急な行為にきょとんとするリナリアを他所に、アルメリアは話を続ける。
「我が王国は他種族に厳しい!しかし、私が王となった暁には、すべての心あるものに対し、平等な扱いを施せる国造りをしたいと思っている!その証拠に、今ここにいるアンデッド族の少女とは互いに平等な関係を築いている…つもりである!よ、要するに、今後の活動のためにも、今は協力してほしい!」
慣れない口調のせいか、癖の強い文章になってしまった。
「王子だと!?ケツの青いガキが…偉そうなんだよ!」「夢ばかり語ってんじゃないわよ!」
アルメリアの熱い演説も空しく、ブーイングも激しくなる一方である。
「こうなったら、行動で示すしかないな!いくぞ、リナリア!」
「一体どうなさるおつもりですか?」
「先陣切ってやるんだよ!うおおおーーーっ!!」
「仰せのままに」
アルメリアとリナリアはバリアから飛び出し、魔物の軍勢に飛び掛かっていった。
「あ、あいつらまじか!」「無謀すぎる!!」「あれじゃ長くは持たないわ!」「自殺行為だ!」
エルフ達は驚きのあまり棒立ちになっていた。そこにトドメとばかりにシンリナーの喝が入る。
「あなたたち、あの勇姿を見てもなお、彼らを信じることができませんか?それでも心優しきエルフ族の民ですか!?」
「精霊様…」
アルメリアとリナリアが傷つきながらも必死に戦う姿を見て、徐々にエルフ達の態度が変わってきた。
「ガキが、かっこつけやがって…!」「私達だって戦えるのよ!」「まったく、勝手な子たちだわ」「今あいつらに死なれたら後味悪いんだよ!」
皆の意見が合致したところで、シンリナーが命を下す。
「エルフの民よ!彼らに続き、魔物を討つのです!さあ、ゆきなさい!!」
「「「「オオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!」」」」
シンリナーの掛け声に応じ、エルフ達が次々に戦闘に参加してきた。
一方アルメリアはというと、既に魔物の毒に侵され、意識朦朧としていた。リナリアも身体のあちこちを食いちぎられ、立つのもやっとの状況だった。
意識朦朧としているアルメリアに、蜂のような魔物が針を突き出し襲い掛かる。
(あぁ…ここまでか…)
そう思った瞬間、魔物に矢が刺さり、地面に落ちた。矢が飛んできた先を見ると、そこには弓を持ったエルフの男がニコニコ顔で立っていた。
「遅くなったな!加勢に来たぞ、王子さん!」
直後、アルメリアの傷が回復し毒も抜けた。
「これは・・・!」
「王子様!私はエルフの魔法部隊と共に後方支援いたしますわ!存分に力をふるってくださいまし!」
それはシンリナーによる回復魔法だった。どうやらリナリアにもかかったらしく、体が元通りになっていた。
舞台は整った。
「皆、行くぞおお!!誰も死ぬことなく勝つ!いいな!?」
「「「「「オォーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!」」」」」
皆の咆哮と共に、エルフの集落での合戦が始まった。




