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となりにはアンデッド  作者: 仁ぐうす
エルフの森
11/57

【11】アウェイ・ステイト・アンデッド

あうぇ~

アルメリア達は走り続けた。途中何匹か虫型の魔物に遭遇(そうぐう)したが、シンリナーの補助魔法(ほじょまほう)により俊足(しゅんそく)で逃走した。



「見えた!エルフの村!」


「ああ…なんということでしょう!」



そこには、多くの虫型の魔物に(おそ)われ、()(まど)うエルフたちの姿があった。建物も魔物の突進によりボロボロになっている。



「あんな大群で(おそ)ってこられては、範囲魔法(はんいまほう)を持たない者共では対処しきれませんわ!」


「バリアだ!一旦ここにエルフ達を誘導して守るんだ!」


「そ、そうですわね!」


「おーーい!みんな!こっちだ!精霊様がいるから来てくれー!」



そう呼びかけると、エルフ達は一斉(いっせい)にこちらに駆け寄ってきた。バリアの効果範囲内に集まったところでシンリナーはバリアを張った。



「おお!親愛(しんあい)なる精霊様!我々を助けてくださったのですね…!ありがたやぁ…」


「精霊様!一体何が起きたというのですか!?」「お願いです!救済の一手を・・・!」



集まったエルフ達はパニックのあまりシンリナーに助けを求め詰め寄っていた。



「ちょっ、落ち着いてください!ここにいる間は安全です!まずは状況を説明させてください!」



シンリナーの声を聞いたエルフ達はたちまち一斉に静まり返り、目の前に手を合わせ、話を聞く体制?に入った。



「いいですか?現在森の魔物が急に活発化(かっぱつか)したようです。その背景には、聖域を乗っ取ろうとする親玉の存在があるに違いありません。ですが、この惨状(さんじょう)を見るに、私だけでは太刀打(たちう)ちできないと判断しました。そこで、戦えるものは、どうか共に戦場へ(おもむ)いていただきたいのです。どうか、わたくしどもにお力添(ちからぞ)えを…!」



シンリナーの必死の演説に心打たれたのか、エルフ達から歓声が上がる。

「精霊様直々(じきじき)のお頼みだ!いつもこの森を守ってもらってるんだ!今度は俺たちが精霊様をお守りする番だ!」「うおーー!やってやるぜ!」「怖いけど、後方支援なら私も頑張るわ!」


(さっすがこの森の精霊様、信仰力凄いな…)



まるで凱旋(がいせん)のような光景に、精霊の偉大(いだい)さを感じずにはいられなかった。そして、いざ戦闘へ、と思いきや、再びシンリナーが話し始めた。



「もうひとつ、あなた方に伝えておくことがあります。」



シンリナーが話始めると同時に、再びエルフ達は静まり返った。



「ここにおられますお二方は、種族は違えど、私たちの力になってくださる存在です。どうか差別の無きよう、共に手を取り合っていただきたい」



そういって、シンリナーはアルメリアとリナリアをエルフ達の前に誘導した。



「や、やめてくださいよ恥ずかしい」


「戦いにおいて信用関係というのは大事なものなのですよ」


「…といいましても…」



シンリナーの演説の時のような歓声が上がるかと思いきや、周りがざわざわし始めた。

ざわめきの中から、ひそひそと会話が聞こえてくる。

「あの白いメスってこの前のアンデッドだよな…」「きっとあいつは裏切るに違いねえ…!」 「あの男の鎧にある紋章ってアスター王国のだよな…ついに俺たちまで根絶やしにしに来たんじゃねえのか!?」



このざわめきに耐えかねて、シンリナーがなだめようとするも、一向に収まる気配はない。

ついには大声で反対を叫ぶ者も現れ始めた。



「アルメリア様…やはりここにいても意味は…」



リナリアが心配そうに見つめてくる。しかし、この圧倒的アウェイな状況であるにもかかわらず、アルメリアは極めて冷静であった。



「これは、試練なんだ…王の器に()る存在かを、たった今試されているんだ、そう感じる」



そう言うと、アルメリアは反対するエルフ達の前に堂々と立ち、叫んだ。



  「我が名はアルメリア・アスター!アスター王国の王子なり!」




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