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旦那様が多すぎて困っています!?〜逆ハー異世界ラブコメ〜  作者: ことりとりとん


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61.制度と仕事

 


「というか、そもそもこの国の『家』の制度ってどうなってるの?」


 冷静に考えてみると、よく知らないことに気づいた。

 というか、日本の制度ですら詳しくは知らないかも。普通に生きてると感覚的に感じることはあっても、しっかり調べることはあんまりないよね。


 ラスキスが王の子どもじゃなくて甥だ、って聞いた気がする。

 王女の子、だっけ?


 その辺りのことも詳しく知りたい。


「イズミルは、異世界から渡ってきてこの世界に家族が居ないからイメージしづらいかもしれんが、普通の場合の話をするな」


 カイルがどう言えば伝わるか言葉を選ぶようにゆっくりと話してくれる。


「普通、家を継ぐのは女の子だ。そして、その女性のサポートをするのは旦那だが、家業を継ぐのは兄弟だな。

 つまり、家に関係する人間は、母とその兄弟と父達が居て、娘とその兄弟がいることになる」


「じゃあ、その場合のお父さん達は何の仕事をするの?」


「実家に仕事があるから、そちらに就く。

 妻の居る家から、仕事のある実家へ通う形だな」


 なるほど。

 でも、少し気になることもある。


「じゃあ、カイルとエルは?」


「俺は8人兄弟の7番目で、下には妹が居るだけだ。実家は人が足りているし魔術の才能があるから師団に勤めている」


「僕の実家は下町の帽子屋です。カイルと同じで兄弟の中で産まれたのが遅い方ですから、神殿で仕事をしていますね。

 兄弟は6人居ますが、店は4人程で十分なので僕とすぐ上の兄は外で働いています」


 所変われば習慣も違うけど、システムが違いすぎて中々イメージしづらい。


「もしも女の子が産まれなかったらどうなるの?」


「女の子が産まれるまで産む事がほとんどだな。だから、俺の家もエルの家も、一番下が妹なんだ」


 確率は8分の1くらいだっけ?

 そう考えたら、そこまで運の悪い方でもないか。


「じゃあ、めちゃくちゃ兄弟が多い人も居るの?」


「俺が知っている中で一番多いのは14人兄弟だな」


 それは……。多いねぇ。

 この国の女の子は大変そうだ。


 エルが解説を続けてくれる。

 ツィリムは、私と同じように興味深く聞いているだけだ。


「場合によっては一人目が女の子、ということもあります。

 そういう時でも家業を成り立たせるために必要な兄弟は産みますね。

 珍しいことですが、その中で二人目の女の子が産まれることもあります。そうなると幸運の証としてお祭り騒ぎですし、近縁の女の子の居ない家に引き取られることがほとんどです」


「なるほど。確率だもんね、そういうこともあるかな」


「今のこの家は、家業が無いのに女の子が居るというとてもレアなパターンです。

 どうすべきか悩むこともありますが、その場に応じて考えれば良いと思っていますよ」


 エルの話はカイルの考えともあっているようで、深く頷いている。


「珍しいということは、面倒なしきたりが少ないということだな。俺が先入観に囚われすぎていたようだ。申し訳ない。

 それで、イズミルはどうしたい?」


 カイルの紅い瞳が覗き込むようにしながら私の意見を聞いてくれて、嬉しくなる。


「役に立てるようになりたいな。

 翻訳の仕事でもいいし、図書館へ行けるなら行きたい」


「以前、イズミルは図書館で働いていたと言っていましたよね?

 こちらの図書館と同じかどうか分かりませんが、行ってみてはどうでしょうか」


 エルも賛成してくれて、もっともっと嬉しくなった。


「そうだな。イズミルは外へ出るのが当たり前だと思っているのだから、必要だろう。

 いつと約束は出来ないが、必ず手配しておく」


 カイルがそう宣言してくれた上で、とてもいいづらそうに言葉を選ぶ。


「どうしたの?」


 やけに変な様子だから続きを促すと、ようやく話してくれる。


「あれだけ反対していたくせに、都合が良すぎるのは分かっているんだが……」


 奥歯に物が挟まったように、もごもごと言い訳しながらの言葉は、いつもはっきり話すカイルにしては珍しい。


「俺の分野の、魔導書も……。読んで貰えないだろうか」


「もちろんいいよ!」


 カイルはこれまでの話の流れから、立場的に頼みづらい、言いづらいと思ったのかもしれないけれど、私はそんなこと、全然気にしない。


 というか、認めてくれたのが嬉しいとすら思う。


「私の気持ちを分かってくれた上に、能力を認めて頼ってくれるのが嬉しいんだよ?

 カイルも、好きな人に頼って貰えたら嬉しいでしょう?私も同じだよ」


「そうか、そうだな!」


 頼られたい気持ちはカイルにもよく分かって貰えたみたいで、今までのように自分の考えとは違うけど私に合わせる、という言い方ではない。

 心の底から分かってくれたように、紅い髪を揺らしてぶんぶんと頷いてくれる。


「お互いに得意なことをして、支えあっていきたいんだよ!」


 ようやく、カイルと分かり合えたみたいで良かった。

 けれど、こういう意見の違いはこれから先にも起こるだろう。その度に、今日のことを思い出して、お互いに理解し合っていけたら、いいよね!




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