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旦那様が多すぎて困っています!?〜逆ハー異世界ラブコメ〜  作者: ことりとりとん


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35/51

35. 綺麗系天使の真面目顔



「イズミ、こっち」


 ツィリムに腕を引かれて入った部屋は、まあなんというか……汚い。

 別に不潔ではないんだけど、物が凄まじく散らかっている。

 壁一面に棚が設置されているのに、その棚から溢れた色んな道具が床へはみ出して山を築いてる。


「一応、どこに何があるかはわかってるよ?」


 ツィリムはそう言い訳するけど、わかってるとはいえ、って感じだよね。

 別に他人の職場だしいいんだけど。


「ちなみに、カイルとツィリムは隊が違うじゃない?

 部屋はどういう割り振りになってるの?」


「ここはおれの所属する5番隊の部屋で、カイルの3番隊の部屋は別にある」


「隊ごとに変わるようになってるんだ。一つの部隊って何人ぐらい?」


「大体5、6人」


 5人でこの広さでこの汚さか……


「まあそんなことはいいからこっち来て」


 足を置く所を慎重に探しながら部屋の奥へと入る。


「こっち。ここ座ってて。普通にしてるだけでいいから」


 真剣な顔で機械を調整するツィリムがちょっとかっこいい。


 とはいえ暇なんだけど、喋りかけてもいいかなー?

 だめかなー?

 真剣だし、でもこの真剣な顔は家じゃ見られないからあの顔を鑑賞してるのもいいかなー?


 綺麗系天使の真面目顔、いいね!



 いつも私の魔素を扱う時にするのと同じように、後ろからぎゅっと抱っこされる。

 家なら別にいいんだけど、ここでやるのはちょっと恥ずかしい。

 普通に夫の職場だし、何より見てくる人がいるんだよね。


「あの、ツィリム? どうしてもこれじゃないとダメ?」


「これって?」


「いや、態勢が……」


「離れてほしいってこと?俺のこと嫌いなの?」


「そうじゃなくて、そうじゃなくて……」


 うん、諦めた方がよさそうだ、このまま黙っていた方がいい気がする。なんとなく。


 しばらく、背中にツィリムの体温を感じながら静かに待っていた。

 ちょっと飽きて眠くなって来た頃に、ツィリムが立ち上がる。


「ありがとう、だいたい終わった。

 調整してからもう一回やりたいし、またいつか来て」


「私、割といつも暇してるからね。いつでも来るよ。

 って言うか、気になってたんだけどこれ何の機械なの?」


「俺が使えるのは水の魔術だから、水の浄化をする機構を作ってるんだ。

 別に今だって水の浄化の機構はあるけど、かなり大きい上に魔素もたくさん使ってる。だから小型化して大量生産できるようにしたい。

 魔術を使えるレベルじゃないと動かせない今のやつから、魔法でも扱えるような、みんなが使えるような機構に、なんとか改良したい」


「なるほど」

 キラキラした瞳で理想を語るツィリムはとっても生き生きしていてかっこいい。


「ここは王都だし水に困ってはいないけど、地方に行くと綺麗な水がなくて困っているところはたくさんある。それに俺が生まれた国は水がそもそも少なくて、俺が使う水魔法はすごく珍しかった。

 そういうことで、今でも水に困ってる人はかなり多いから、そういう人に少しでも助けになったらいいなぁと思ってる」


「へぇ、かっこいいじゃん。頑張って!」


「頑張るから、また手伝って?」


「もちろん! 私できることならいくらでも」


 生き生きしてるツィリムはとってもかっこいいし、私に出来る事はなるべくしてあげたい。




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