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「ともかく、着替えを続けるわよ。まずは次の戦いに勝って、実力を見せつけてあげて」
「勝てるかどうかは分かりませんが……やれることはやります」
愛に着替えを手伝って貰った涼は、そういってから格納庫へと向かう。
彼は格納庫の入り口に学生証をかざし、目の前にウィラメットの搭乗口が現れるので乗り込む。
「システム、オールグリーン。いつでもいけます」
その機械音声を聞いた涼は、それに対してこういう。
「白夜涼、ウィラメット行きます!」
それを聞いていたウィラメットは、すかさずこういう。
「了解。ウィラメット、発進します」
するとウィラメットの乗ってるカタパルトが作動し、ウィラメットはそのまま空へと飛び出す。
すると、枝里から涼へ通信が入る。
「逃げないで私と戦いに来たのは認めるわ。けど、このプレスコットに勝てると思うの?」
「勝てるかどうかは分かりません。でも、全力を尽くします!」
謙虚な涼に枝里はこういった。
「そういっても、私は手を抜かないわよ!ファントムフェザー!」
するとプレスコットの背中にあった羽のようなパーツが分離し、そのままウィラメットへと突っ込んでくる。
「遠隔兵器……それなら!」
近づこうとする涼の目の前を、光が遮った。
「これは……荷電粒子砲!?」
それが荷電粒子砲……所謂ビームだと気づいた涼は驚きを隠せなかった。
「愛から聞いてなかったのかしら」
「一応は聞いてましたが……百聞は一見に如かずという物です」
素直にそういった涼は、枝里からからこういわれる。
「でも、このくらいで驚いていたら身が持たないわよ!」
「追ってくることは分かっていても、振り切るのが精一杯で……でも近づければ!」
どうにか近づこうとする涼だったが、その進路を枝里は的確に塞いでいく。
「どうやらその機体、飛び道具の類はあのナイフだけみたいね。なら!」
枝里は前方にファントムフェザーを展開する。
「こうして進路を塞ぎ続ければ、いつかはじり貧になる!」
枝里の行為に、涼は焦りを隠せなかった。
「こうなったら!」
彼はとっさに、エレクトロタガーを取り出す。
エレクトロタガーを取り出したのは彼のスカイアーツなのだが、それは所謂言葉のあやである。
ともかく、彼はエレクトロタガーをとりあえず投げつける。
だが、枝里はそれをかわせなかった。
プレスコットにエレクトロタガーの電流が流れたため、ファントムフェザーの動きも停止する。
「それを構えている間は本体は無防備になる……なら!」
涼はそのまま枝里に近づいていくのだった。




