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そうして、愛は涼を着替えさせる。
「恥ずかしいと思うけど、まずは慣れないとね」
「そうですね」
二人が話をすると、涼はパイロットスーツに着替え終わる。
愛は既に着替えているため、二人は格納庫へと向かう。
「さて、これから操縦の練習をしますよ」
律に促され、生徒たちはそれぞれのスカイアーツが格納されている位置へと向かう。
プロセン学園の格納庫は立体駐車場のようになっており、乗り込み部分に床が来るよう設計されている。
そして、涼もまた彼の格納庫へと向かう。
彼が格納庫の入り口に学生証をかざすと、ハッチが開き目の前にウィラメットの搭乗口が現れる。
「システム、オールグリーン。いつでもいけます」
その機械音声を聞いた涼は、それに対してこういう。
「指示が出次第発進します」
「了解。ウィラメット、発進スタンバイ」
すると、律の指示が入る。
「みんな、スカイアーツを発進させて」
それを聞いていたウィラメットは、すかさずこういう。
「コード認証。ウィラメット、発進します」
するとウィラメットの乗ってるカタパルトが作動し、ウィラメットはそのまま空へと飛び出す。
「演習領域はプロセン学園の上空、でしたね」
すると、彼の前に日野瀬愛のスカイアーツ……ペネムIカスタムが現れる。
IカスタムのIはインファイトの意味であり、接近戦向けの調整が施された機体である。
「その機体はどんな戦い方をするのか、見せて貰うよ」
すると、涼の耳に機械音声が入る。
「武器を展開します。ストレイトソード、生成」
すると、ウィラメットの右手に飾り気のない西洋刀が生成される。
スカイアーツはナノマシンにより武器を生成できるのだ。
「ふうん、なら……やらせて貰うよ!」
愛は彼女のスカイアーツの右手に短い刀を生成させ、左腕には盾付きのガトリングランチャーを生成させる。
「お互いに接近戦用のスカイアーツだっていうなら、やってみせます!」
そうやって接近しようとする涼だが、彼は愛に回り込まれる。
「伊達や酔狂で接近戦向けのカスタム機に乗っているわけじゃないよ!」
「読んでいましたよ」
それを読んでいた彼は左腕で愛のスカイアーツを殴りつける。
だが、それは愛に盾で防がれる。
「伊達や酔狂じゃないって……」
それを見た涼はすかさず回し蹴りを放つ。
「えっ!?」
驚く愛に、涼はこういった。
「とっさの判断力なら私だって負けませんよ!」
「筋がいいわね。新型を託されているだけはあるわね」
愛は素直に涼の実力を認め、彼を見据えるのだった。




