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「新型なら、どうだっていうんだ!」
そういった中国語が聞こえたと思うと、海賊船は砲撃を加えてくる。
「そうはさせません!」
涼は放たれる砲撃をウィラメットで蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた砲弾は海賊船の進路上へと着水する。
「ちいっ、やはりこんな小型船一隻じゃスカイアーツ相手じゃ力不足だ!」
「だが、砲撃を弾き飛ばしてきたってことを考えれば飛び道具の類はないんじゃないか?」
そんな問いかけをする船員に、もう一人の船員はこういう。
「馬鹿をいえ。そう思わせるためのブラフかもしれないぞ」
「だが、砲撃を蹴り飛ばせるってことは少なくとも接近戦が得意なタイプだろう」
そんな船員に、やはりもう一人の船員が突っ込む。
「スカイアーツは核ミサイルすら迎撃できるんだ。砲撃くらい容易く蹴り飛ばせる」
しかし、突っ込まれた船員は食い下がった。
「だが、あの動きは慣れていないパイロットみたいだ。そんなパイロットでも蹴り飛ばせるんだぞ?」
「パイロットが慣れてないのか、調整中に俺たちと遭遇したのかは分からんが確かに動きはぎこちない」
そんな会話を聞いていた涼は彼らの会話に割って入る。
厳密には、警告を行ったのだが。
「そこの不審船、今すぐ退去しなさい!」
その警告を聞いた海賊船の乗組員はこういった。
「しまった。まだ回線がオープンのままだった!」
「何やってんだ、切っとけよ!」
「驚きのあまり切り忘れたんだって!」
そんな船員に怒った船員はこういった。
「たく、スカイアーツを見るのは始めてなのか?あれくらいで驚いていたら話にならないぞ」
「ともかく、逃げましょう。あのスカイアーツが接近戦の得意なタイプだって分かっただけでも儲けものです」
海賊船の乗組員がそういった後に、海賊船の回線は切られるのだった。




