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木々に隠れるように姿を洗われた洞窟の入り口。
うっそうと茂るその葉に隠されているためか、入り口付近も暗く奥の方はよく見えない。
いまにも何か出てきそうなその洞窟だがそこで女神様が、
「魔力が低いから中が暗いのね。もっとも魔力が強い洞窟ともなると、入り口付近で所有者が入場料を取ったりもするから、こういった場所でないと無料では入れないわね」
「そうなのですか。でも中が暗すぎて、よく分かりません」
そう俺が答えると女神様が頷き、
「そのあたりは私がサポートするわね。まずは、“明かり”と」
女神様がそう呟くと、女神様と俺の周囲に光の球がいくつもわいてきて、
「前方に五つほど、周囲に五つほど。これで中に入っても何があるかはわかるし魔物が出てきても気づきやすいわ」
「魔物、ですか? 俺、どうやって戦えば?」
「この世界の魔法が俺はよく分からないのですが」
「うーん、色々と入れたから私もうまく説明できないけれど……この世界の人になじむ形なら、そのうち魔導書を手に入れられるといいわね」
「なるほど、そこに書いてある魔法を使えばこの世界の人のように……でもそのためにはまずお金が必要ですね。魔導書はどれくらいのお値段なのですか?」
「ものによるわ。たまに洞窟の奥深くに隠されたり、誰かが落としていたりすることもあるし」
そう気楽に言う女神様の話を聞きながらそこで俺は気づいた。
「俺、この世界の文字は読めるのですか?」
「読めるわよ。そして話せるわよ。私と話せているし。そのあたりの設定はぬかりありません。……ラノベとか漫画とかゲームの話もしたかったし」
その理由を聞きながら俺は、自分の趣味が最優先なのかな? と不安を覚えたのだった。
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