洞窟にむかう途中
こうして俺は気軽な異世界生活が、女神様のおかげで微妙になってしまうという事案に遭遇した。
だがスローライフをするにしても、いくらかのお金はいる思考いっつぉざいのようなものを手に入れなければならない。
遅かれ早かれこうなる運命だったのだ。
というわけで俺は女神様に連れられて、ダンジョンデビューすることになった。
町に行く途中にある洞窟、というわけで、近場ではあるその場所に女神様のサポート付きで向かうことになった。
そして土のむき出しだがよく人が通っている道を歩いていく。
空はどこまでも青く時折浮かぶ白い雲。
周りには明るい木々の生い茂る森が広がっている。
ちょっとしたハイキングに来ているような、整備? と言っていいのかは分からないが、どちらかというと歩きやすい場所だった。
もっとも歩いてる途中で何かいいものがないか探したが、道に面している場所では撮り尽されているのか、女神様曰く、
「売れそうなものは何もないわね。……ああいった枝の枯れたものは集めて売ろうと思えば売れるけれど、そんなに高いものじゃないしね」
「幾らぐらいなのですか?」
「そうね、ジングウジが両手に一杯抱えて、300コールドくらいかしら」
それを聞きながらそれは安すぎると俺は思って、諦めて普通に洞窟を目指すことに。
やがて細い獣道のようなものがあり、女神様が言うにはここを行くらしい。
明るい森だったはずが段々と木々がうっそうと茂る森に変わっていくのを見ながら俺は、
「本当にこれ、大丈夫なのですか?」
「私がいるから大丈夫かも?」
「……疑問符をつけられると不安なのですが……あ」
そこで、木々に隠れるように洞窟が姿を現したのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。