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敵の能力

 敵の魔族がどんな攻撃をするとか、弱点は何かが分かる方法、それは俺の特殊能力チートで再現できる。

 そう答えるとルナの兄は不思議そうな顔をして、


「どうやって?」

「俺の特殊能力チートを使って、敵の能力を空間に表示をするのです。見せたほうが早いですね。……失礼します」


 俺はルナの兄にそう話して、特殊能力チートを使った。

 そこで小さな音を出して水色の光の板のようなものが現れて、そこに能力の値などが記載されている。

 この数値が一般の人間と比べてどの程度なのかは分からないが、これで納得してもらえただろうかと思っていると、ルナの兄がそれを食い入るように見ている。


 何かが間違っているだろうかと俺が思っているとそこで、


「体力などまですべて数値が……しかも弱点なども……苦手な部分が正確に描かれている」

「これを魔族側に仕掛ければ戦いやすいのではないかと」

「……この魔法は、どの程度の範囲まで可能なんだ?」

「……それはやってみないことには無理かと」

「……それは、その魔族だけを狙ってできるのか?」

「……やったことはありませんが、おそらくは可能かと」


 そう返すとルナの兄がしばし黙る。

 そこでフィルロッテが俺の服を引っ張って、


「まるでゲームに出てくるような能力じゃの」

「確かにゲーム内では登場人物の説明に、能力などが書いてありますからね」

「……その空間転移や空間を操る能力系の魔法で、お主の世界のゲームや漫画などの物語で、どのように使われていたか、記憶にあるか?」


 フィルロッテの言葉に俺は考えてみる。

 空間を操る系……時間を止めたり、ではなく……転送……。


「攻撃を目的の場所に転送捨て攻撃する。そうすれば遠距離でも、そこまでの距離は関係なく、攻撃できる」

「だが、それでは味方まで巻き添えにならないか?」


 ルナの兄の言葉を聞きながら俺は更に考える。


「敵だけを選別して攻撃する……もしもこの能力を呼び出せるのが、敵だけに上手く出来たなら攻撃もある程度制御できるか?」

「なるほど、確かにそれは魅力的だ。……試してもらえるか? 他の人達は説得するから」


 ルナの兄は俺にそう言ったのだった。








 早速、部屋に戻り敵の能力を空間にあらわせるか挑戦する。

 地図ではこの辺りと言われたので大まかにその辺に、といったふわっとした条件で能力を使う。

 そして全線で観測している人との通信を行う。


『て、敵の頭上に能力値のようなものが……』 

「それは見方には表れているか?」

『現れていません。しかも攻撃するごとにどんどん体力が減少していきます。弱点も書いてあって攻撃しやすい』

「分かった。……だそうです」


 ルナの兄がそう通信をして俺達に言う。

 どうやらうまくいったようだ。

 となると今度は次の手を打つことになる。つまり、


「攻撃の転送が上手くいくかどうか。もしそれが上手くいくようであれば、俺自身の魔法もあちらに転送して特定の相手だけを攻撃できるはず」

「ジングウジの魔法は強力だからね。魔族関係に関しては私はお手伝いは出来ないけれど、教えることはできるわ。……ぜひ“双極の刃”という魔法を使うのをお勧めするわ」


 そうミネルヴァに聞くと、どんな魔法かは使ってからのお楽しみだと言われた。

 それに不安を覚えた俺だがそこで、魔法を転送しようといった話になり、建物の外で行うことに。

 上手くいったと連絡が入ったら、ベランダに出た、多分偉いおじさんが大きく手を振ってくれるらしい。


 失敗したなら、腕を組むそうだ。

 そういった話を聞きながら俺達は武器を手に、一度戻った部屋から、また外に向かったのだった。

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