会話
それから起こった展開については省略する。
恐ろしや、恐ろしやと俺はしばらく呟いていたが、
「な、何をしている。俺を誰だと思っているんだ!」
「……え~と、アホ王子っと」
ルナがそのような文字を書いていた。
それはもう、満面の笑みを浮かべて。
ルナもルナで色々思うところがあるのかもしれないが、そこでその文字を書き終わった所でルナが、
「どうしてこんな場所に寝取り女と一緒にいるのですか?」
「ま、魔族が攻め込んできたんだ!」
「それで貴方のお父様とお母様はそこで何をしているのですか」
「それ……は……」
「あの場で指揮を執っているのでは? 私の親兄弟もきっとそうでしょうが」
「! お、お前だって逃げたじゃないか!」
そう言われてルナは一度黙ってから、深く息を吐いて、
「そうですね、私は逃げました。でも状況は違いますよ? あなた方は私にぬれぎぬを着せて……場合によっては私は殺されてしまっていたのかもしれませんし」
「そ、そこまでするつもりは……」
「……嘘です。私、全部聞いていましたから。……嘘つき」
ルナがそこで冷たい声でそう告げた。
そして更にルナは、
「私、本当は婚約者であった貴方を少しは好きだったんです。でもこんな目にあって、そして貴方に投げかけられたその言葉などを聞いて私、完全に踏ん切りがつきました。……すでについていたのかもしれません。さようなら」
「な、何をする気だ! やめろおおおお」
「? 別に私は何もしませんけれど」
「へ?」
間の抜けた声が聞こえたが、そこでルナが、
「抜けるくらいまで空間を広げていただけますか?」
そう俺に言うのでとりあえずこの状態にしておくのもあまり気持ちがいいものではなかったので少し広げると、慌てたように手が引っ込む。
そしてすぐにののしる言葉が聞こえてきたが、あまり精神衛生上によろしくないため、すぐに俺は接続を閉じた。
「ふう、まさかこんな所で遭遇するとは思わなかった」
「そうですね、私も驚きました。でも……アホ王子と書けて満足です。……うん、アキラに武器を作ってもらって、私、皆を助けに行きます」
「……俺達もできる限り手伝うよ」
そう返すと、ルナは嬉しそうに微笑んで頷いたのだった。
それから再度周囲を見回せる高さに空間を繋いで、回りを見て、人がいないことを確認してから道をつなげる。
そして、全員が道に出てからすぐに俺は依然と同じように、“エリ鉱”がどこにあるのかを検索した。
フィルロッテがその魔法を見て、また妙な魔法をと騒いでいたが、その地図からは再び森の中に埋まっていると気付く。
それを見ながら俺は、
「また魔族に遭遇しないだろうな」
「そんなにそこら中に魔族はいないわよ。さっきの子たちだっていた方から安全な法に逃げているだろうし」
そうミネルヴァに言われて、俺はなるほどと思った。
そんな話をしてから森の方に入っていき、目的の大きい石を見つける。
そこでフィルロッテが、
「こんな簡単に高品質の鉱石が見つかるとは……しかも無力化の効果があるはずなのに……やはり異世界人はおかしい」
などと頭を抱えているが、少しでも早く武器を手に入れたかったので俺は、その見つけた大きな鉱石を掘り出す。
スコップ類は空間を繋げてセバスチャンに持ってきてもらい、石を彫り上げて家の庭先に転がす。
また、大きめとはいえまだこれだけで足りるかは分からなかったので、更にいくつか鉱石を探す。
場所が分かっていても埋もれていると見つからないので周辺をみんなで探したりと、そこそこ宝探し感も味わえたような気がする。
そして、幾つかの鉱石を俺達は持ち帰り、武器は明日作ってみることにした。
だからその前の下準備として、目的の鉱石からその金属を取り出す。
特に力を使って純度を高めたそれは、かすかに青い光沢をもっている銀色で、そのままアクセサリーにしたいなどとルナたちが騒いでいた。
また、魔法攻撃をされた時にこれを使えば防御用の何かが上手く作れないか、といった俺の提案に、こちらが攻撃できなくていいのであれば可能とフィルロッテに俺が諭されたり色々した。
そういった話をしつつ、その日は、フィルロッテがあ朝一で武器が見たいのとルナの料理が食べたいとのことで、この屋敷に泊まる以外、特に何事もなく終了したのだった。
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