提案
ここで、あの作り出した金属の凄さに関しての検討会は、ルナの作り出したワッフルによって消え失せた。
二枚ほど焼かれた網目状のワッフルという名のケーキに、クリームとジャム、そしてアイスが添えられている。
売り物としてそん色ないと思えるようなきれいな飾りつけだった。
いかにも女の子が好きそうで、一瞬手出しするのをためらわれたものの、
「お、美味しい。特にこのシャーベットをクリームと一緒に添えて食べると……」
ユキがそう言って猫耳をプルプルさせながら食べていると、ミネルヴァも、
「こんな美味しいものがあるなんて。女神様としては、ルナちゃんを連れてこれたのは正解だわ。……ルナちゃんのクローンを何人か作ろうかしら」
「や、やめでくださいお願いします」
ルナがミネルヴァの真剣さを感じ取ったらしく必死で止めている。
何となくクローンというと、自分が本物になるために相手を抹殺したりしないだろうかという不安が俺の中に浮かぶも、すぐにルナとクローン同士で愚痴大会をしてお互い慰めあったりしていそうだなと気づいた。
どの道、ルナが必至で止めているので特に何もなさそうだ。
そこでフィルロッテが手を上げる。
「お変わりが欲しいのじゃ」
「! もう食べてしまったのですか! ……じゃあ、また他作りますね。幾つ欲しいですか?」
「そうじゃの、4つほどか」
「分かりました、他の方はどうしますか?」
ルナの問いかけにそこでミネルヴァがきりっとした顔になり、
「きょう、どこかに行くような運動をする機会はあるかしら」
「今日は武器を作る予定なので無理になるのではないかと」
「そう、残念だわ。私はなしで」
そう、残念そうにミネルヴァが返す。
ユキも食べるのを止めてしまったようだ。
そして俺は美味しいので、追加で二枚ほど作ってもらったのだった。
そんなこんなでワッフルを楽しんだ俺達はさっそく、武器を作ることにしたが……。
「この金属の強度はどれくらいなんだろうな。そしてその魔法を使った時の影響を柄の所には持ってこないようにはしたいから……魔力の影響のない金属で持ち手の部分は作りたいのですが、何かいい方法はないでしょうが、フィルロッテ」
「ふむ、確かにそうじゃの。……この純金属の強度は……残念ながら、これまでに存在していないので、これそのものの強度は分からないが、この“ノラネ鉱”は不純物が少なくなるにつれて比較的固くなる傾向にある金属じゃ」
「となるとそこそこ細い杖や剣にしても、壊れにくいと」
「そうじゃな。後は一部だけをこの金属を使って他は魔力の影響を受けにくく熱などを遮断できる素材……しかし指令用の最初の魔力は通したいから、その場合ははじめにこの“ノラネ鉱”に触れて指令を出せば……否、それでは魔力の供給と終わりがいつになるのかの調節が……」
どうやら電気を通したり切り替えができるスイッチのようなものが必要らしい。
そして、その魔力などを通さないような、電気を通さない絶縁体のようなものが必要であるらしい。
そうなってくると……とそこで俺は、静電気を思い出した。
静電気は電圧が高いものの極端に電流が少ないため、あの程度で済んでいる。
だから、
「その、魔力を通さない金属の持ち手に、一つだけ限りなく細い線のような、直接指令を出せるような部分をつけてみてはどうでしょう。極端に細ければ、本体の方の影響は俺達が持っている部分にはほとんど影響しない」
そう提案したのだった。
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