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何をした?

 そんなこんなで俺達は、自宅である“幽霊屋敷”に戻ってくることになった。

 また、この屋敷の主であるフィルロッテもやってくると、幽霊たちがざわめきあって挨拶にきたりと大変なことになった。

 一応お客様が来たので、何かお菓子を用意しようかといった話になり、


「では、クリームとジャムを添えたワッフルはいかがでしょう?」


 ルナがそう言うと、ミネルヴァもユキも嬉しそうでフィルロッテも、


「手作りのお菓子は久しぶりじゃな。ふむ、ここに来たかいがあった」


 などと話し始めた。

 また、それからミネルヴァがフィルロッテに最近異世界から手に入れたゲームの話を聞いて盛り上がっていた。

 俺はというと、コピーした武器の類を読んで、ついでに鉱石からの金属の取り出し方などを見ていたのだが……。


「俺の“空間支配チート”で何とかならないか……確か熱を加えるとその温度で不純物となる金属が出てきたり、後は溶液に溶かしておいて電気を通して金属を取り出したりというかメッキをしたり、酸化還元が……だがそのあたりを魔法というふわっとした能力でどうこうできないか」


 俺はその鉱石からの魔法金属の取り出し方や性質などを見ていてそう思った。

 俺たちの世界と似たようなもので、その金属の取り出し方や魔法的性質を減らさないようにするためには、といった細かい方法などまで書いてあるが……これを俺の特殊能力チートだけでどうにかなるのだろうかと思う。

 思いはしたが、考えていてもどうにもなりそうにならなかったので、まずはやってみることにした。


 初めてするのはお試しだから失敗してもいいだろうと思い俺は、周りを見る。

 ルナのお手伝いをユキはしていて、ミネルヴァはフィルロッテと俺たちの世界のゲームの話に熱中している。

 誰かに手伝ってもらうほどのものでもないだろうと俺は思い、この前拾ってきた鉱石のうち、小さいものを他の部屋に行ってとってくる。


 その鉱物の置いてある部屋で魔法を使ってもよかったが、一人で黙々とやるのも何となく嫌だったのと、何かあった時に周りに人がいた方が対応が早いだろうと俺は思ったのだ。

 というわけで俺はみんなのいる調理場のある部屋に向かう。

 相変わらず全員がおのおの、自分たちの会話を楽しんでいるようだった。


 そこで俺は気づいてしまう。

 屋敷の幽霊たち(モブ)が憐憫に満ちたまなざしで俺の方を見ているのを。

 べ、別に一人なのは特にさみしくないのだと返そうと思っていると、もう何も言うな、分かっているからとでもいうがごとく幽霊たち(モブ)がすうっとその場から立ち去っていく。


 俺は幽霊に気を使われた気がした。

 それが俺の屈辱感をあおる。

 真の事情通オタクとは、孤独なものなのだ……などと俺は自分を慰めながら、早速その鉱石に向かって自身の特殊能力チートを試してみることに。


 まずはふわっとしたような設定で、


「主成分とその他の二つに分かれてください……というイメージで良いのか?」


 そう口に出してみながら目の前の鉱物を見ているとそこで、石からどろりと銀色の金属のような液体が溶け出した。

 水銀のようなプルプルとしたそれは、鉱石の所からずるずると流れ出したかと思うと立方体の形に変形した。

 つやつやと白銀に輝くそれを見ながら俺は、一応は主成分と違うものに別れたのか? と考える。


 となるとこの金属は不純物の入っていない金属になり、これを加工してみるとどうなるのだろうかと俺が思っているとそこで、俺は気づいた。

 フィルロッテが目を丸くしたようにして、俺を見ている。

 正確には俺の作り上げた金属を、だが。


 何か俺は間違えただろうか? そう俺が思っているとそこでフィルロッテが、


「……今、お主、何をした?」

「え~と、特殊能力チートを使ったのですが、何か間違っていたでしょうか?」


 そう俺は返したのだった。

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