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戦闘

 何故ここでこの俺が、彼女いない歴=年齢の俺が攻撃を受けそうになっているのか!

 ルナは慌てたような顔をして、ミネルヴァが楽しそうで、ユキは今後の状況の推移を見守ります、といった顔で俺を見ている。

 どんな展開だというか、ミネルヴァが色々と酷い。


 あんな誤解を招く言い方をしなくてもいいのではないだろうか?

 一気に女性不信になりそうな事案ではあるが、さりとて男に走るつもりは毛頭ない。

 もうちょっとヒロイン力が高い女の子の出現を望みながら俺は、今まさに攻撃を仕掛けようと……それも先ほどユキにしたものとは違うような、宙に巨大な炎の塊がいくつも浮かんでいる、それを俺に投げつけようとしているようだった。


 本気で抹殺しようとしているな、と俺は思うと同時に、水分の多い生の木であるとはいえ、燃えやすい。

 しかもここは森。

 一気に回りに広がるかもしれない。

 

 そうなると受け止めるか消去するしかないが、あれだけの火力を完全に消せる程度の魔法……その魔法は、どこに……。

 俺が心の中で念じるとそこで、一瞬目の前で数字のようなものがあの魔族たちと魔法の周囲にちらつく。

 見間違えだろうかと思うも、それはすでに俺の視界内にない。



 奇妙な現象だが、彼らをまず倒すにはどうすれば、という俺の“意思”は変わらない。

 と、再び先ほど森の中に入るために風の魔法を使った時のような、何かの幾何学的な“絵”が脳裏に映る。

 同時に俺の目の前で複数の小さな金色に輝く光の魔法陣が横一列に並ぶ。


 これから壁か何かを作るのだろうかと思っているとそこで、その小さな魔法陣から光が伸びて、俺の眼前に大きな光の魔法陣が宙に浮かぶ。

 俺、こんなものをイメージしたか?

 自分の想像外の事象が起こって俺は混乱するけれどそこでルナが、


「“氷の闇灯”……」

「そうみたいね。……これは……」


 ルナの言葉にミネルヴァも、言葉を失ったかのように呟いているが、どうやらそういった名前の魔法であるらしい。

 けれどそれがどういった効果があるのか全く分からない。

 だが、よく理解できないのに魔法は発動しようとしているようだ。


 魔族の人たちもぎょっとしているように見えるが、そこで魔法陣がひときわ大きく輝いた。

 その魔法陣の中心部に青い光が集まり、数回輝く。

 だがすぐに甲高い音……ガラスが割れるように青い粒が周囲に広がり、敵に向かって飛んでいく。


 粉々に砕けた青い光は次々と巨大な鋭い氷となって、魔族隊の方に飛んで行った。


じゅっ


 火炎の魔法と氷の魔法がぶつかったときの音が聞こえる。

 爆発するような音がすると同時に、白い蒸気があたりに充満して見えなくなる。

 なのに現れた氷はどこに向かっていけばいのか分かっているがごとく飛んでいく。

 

 そしてパキンと何かが割れる音がして、小さなうめき声が聞こえた。

 それだけだけだった。

 水蒸気が晴れるとそこには誰もたっておらず、代わりに石のようなものがいくつか落ちている。


 なんだろうと思っていると、ミネルヴァがそちらのほうに歩いていきそれを拾い上げて、


「本来この世界に生まれるはずだったものが、“魔族化”してしまったものが、元に戻ったわ。ここから先は私の“女神”としての本来の仕事」


 そして何かを呟くとその石は、白い光に包まれて、空高く飛んで行ったのだった。


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