魔族
武装した人物たちがいる。
誰だか分らないが、頭に角が生えたりしている、人型の人物達だ。
この世界には、現在彼らにつかまっている猫耳少女のように人間とは違う性質を持っているのかもしれない。
でもこんな所にいるって事は、山賊か何かだろうか?
結構人が多そうな所だが、町に近いこんな場所にいたら討伐されてしまいそうだが……。
そう俺が思ってみているとそこで、俺は気づいた。
俺のすぐそばにいたルナとミネルヴァの様子がおかしい。
やけに静かというか凍り付いているようだ。
表情も妙だ。
ルナは顔を真っ青にしていて、ミネルヴァは表情がまるでない。
どういうことだ?
そう俺が思っているとルナが、
「な、なんでこんな所に魔族が」
「? 魔族って、あの魔王の部下みたいな?」
「そうです。魔族は全員角が生えているんです。だからあそこにいるのは魔族……初めて見ました」
「そうなのか。でも、なんであそこにユキが捕まっているんだ?」
俺がそう問いかけるようにつぶやく。
そこには、青い顔でロープで捕まった猫耳少女。
どうしてこんな場所にいるのか。
そう思ったところで気づいた。
彼女の足元にあるあの石。埋まっているがおそらくはあれが、目的の“ノラネ鉱石”。
なんてことだと思っているとそこでルナが、
「分かりませんが、そばの私たちの町を偵察に来た時に偶然遭遇したのかもしれません。もしくは私達のいる都市を滅ぼすための何かをするため、来たところを目撃したが……運悪く遭遇した、といった所でしょうか」
「こんな辺境にきて? 確か魔王はここから離れた場所にいるんじゃ? だから接触しないという話になっていたはず?」
俺がこの前聞いたミネルヴァの話を思い出しながら呟く。
それなのに何でこんなことにと俺が思っているとミネルヴァが、
「そうね。魔王から一番離れた場所ではあるけれど、その分防備が手薄いから……一番攻撃はしやすいわね」
「……どうするんですか? 女神パワーで何とかあの不幸なユキを助けられませんか?」
「駄目だわ。魔王に関連するものには私は……女神である私は、極力、攻撃といった手助けはできない。ギリギリ出来るのは、間接的なお手伝いまで。武器を渡したりといったね。そうでないと力の均衡が崩れて……魔王側の力が巨大化してしまうのよね」
「そうですか……こんな魔王がいる状況でスローライフなんて連れてきたのはもしや……」
そう俺が邪推すると、ミネルヴァが首を振り、
「魔王に関してはこの世界の勇者達にお任せするはずだったのよ。こちらはスローライフによって……魔王を倒した後の、新しい進歩を促すための準備を始める予定だったの。要は役割分担ね」
「そのような意味があったのですか。でもこの状況……俺はどうしたらいいんだ? 魔族ってどんなものか知らないし。どれくらい強いんだ? 全然わからない」
「そうね、あそこにいる彼は、ここ周辺の町一つ消し去れるだけの力を持っているわね。でも全力でやった場合だから、そこまでにはならないと思うわ」
ミネルヴァが俺にそう答えたのだった。
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