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鑑定スキル

 大量の“マモモの実”が手に入った。


「これぐらいあればルナは満足かな? 必要があればもっと採ってくるけれど」

「いえ! 十分です。こんなに……早速カバンに入れて持って帰りましょう」


 嬉しそうにルナが言うのを聞きながら俺は、帰りにこれを回収しておけば持ち運びせずに……と考えた所で気づいた。


特殊能力チートで家とつないでしまえば持ち運びせずに済むのか。でもちょうど周りに人というか冒険者の人が来たな。……この能力を見られるのはあまりよろしくないな。珍しい力だし」


 俺はそう呟いて何かいい方法がないかと考える。

 そしてたまたま持ってきたそこそこ大きい袋を思い出す。

 その袋の中でその転移の能力を発動させればいい。


 そうすれば俺は袋の中に果実を入れているようにしか見えない。

 というわけで早速試すと、袋の中にあのお化け屋敷の調理場近くにある机が目に入る。

 あまり高い所から落としても潰れてしまいそうなので、もう少し高度を下げて……。


「これくらいならいいだろう。後はこの袋に入れるだけで簡単に自宅に転送だ」

「! それは素晴らしいです!」

「そうだろう。これから何か良さそうなものがあったら、こうやってとって自宅行きだ!」


 俺はそう言う。

 というかこうすれば途中途中で、売れそうなものなどを手に入れたら自宅送りできる。

 また一つ新しい特殊能力チートの使い方を見つけた。ただ、


「俺にはこの世界のものがどんな風に有用だか分からないんだよな」

「それは普通だと思います。あ、“鑑定スキル”を持っていると、これはどんなものだ~、とか分ることはあるみたいですね」


 ルナが教えてくれるが、それを聞いて俺は、


「“鑑定スキル”か。それがあるとすると、どの情報ってどこから来ているんだ? ミネルヴァ」

「うーん、“天球大図書館ゼロ・アーカイブ”のアクセス権限は普通の人にはアクセスする権限はないから、大抵、“鑑定スキル”用の魔導書があって、その本と現物との“解析”“検索”によってあらわされている形のはずよ」

「そうなのか……。となるとその“鑑定スキル”用の魔導書がないと……待てよ?」


 そこで俺は気づいた。

 俺の能力は“空間支配”である。

 その繋げたり支配した場所で、その場所を構成する“情報”を、例えば、ゲームの説明画面のように透明な色付きの窓用に表示することは可能だろうか?


 そして俺の手には、放り込む最後の一つの“マモモの実”がある。

 とりあえず目に見える範囲の、唯一の冒険者がすぐ横を通り過ぎようとしていたので俺は黙り、彼らが見えなくなるのを待つ。

 それから再びその果実を俺は見て、念じてみた。


ぴきゅん


 そんな高い音が出て、俺の目の前に薄い水色をした光の板が現れる。そこには、


「あ~、“マモモの実”の情報がここに載っているな。なるほどふむ」

「な、なんですかこれは」


 ルナの言葉に俺は、


「この物体のある空間を支配して、そこにある情報を俺たちが見える形で表示した、かな? ……一部、売ると幾らといった値段も書かれているから、これは相場の情報もアクセスして表示しているのか?」

「こ、こんなの、見たことがありません」


 驚いたようなルナの言葉。

 そしてミネルヴァが、


「なるほど、そういった使い方もあるのね……参考にさせてもらうわ~」

「あ、はい。どうぞ」


 そう俺は答えたのだった。


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