特定内の空間内の状態
それから後で食材を買ってこようといった話になり、またその時にこの周辺の本屋でこの周辺の地図を手に入れることに。
他にも観光ガイドのようなものが手に入るといいといった話をしつつ、
「ここでスマホが使えたら便利だけれど、さすがにそれは無理か」
「は! ゲームならではのマップ設定……いいわ。凄くいいわ。……でもそれ、この世界の人全員に渡すのはまだ早すぎるかな……」
などとミネルヴァが考え始めたのを聞きながら俺は、ふと思う。
俺の特殊能力を使って、
「ミネルヴァ。俺の特殊能力で、特定内の空間内の状態の……解析は出来るのか?」
「出来るわよ。条件付けをしないと大変なことになるけれど」
「その条件付けはどうやるんだ?」
「ジングウジがこうしたいと想像すればいいわ。そうすれば基本的に設定はされるはずだけれど……イメージを固定するために口に出した方が、より精度は高くなるかも」
とのことだった。
そうなるとこの周辺も解析出来るらしい。
“空間支配”の能力はその空間内の情報を“引き出す”ことにもなるようだ。
そして解析と一緒に必要になってくるのが、“出力”。
得られた情報を分かりやすく目の前に表す。
地図であったりゲーム上のマップであったり、そういった形で出せるといい。
そこで俺は気づいた。
「俺が今まで経験したことがるような形だと、その特殊能力を実現しやすかったりするのですか?」
「そうね。というか、出来ればジングウジの経験や知識によるものをこの世界で、その特殊能力で発現して欲しいわ。何が足りないのか、といったことも参考になるから」
「なるほど、分かりました。でも俺たちの世界で実現していない技術のものも混ざるような気が」
「それはそれで構わないわ。私たちの世界で実現可能なものが欲しいわけだし。それにジングウジ達の世界でもそのうち実現するかもしれないしね」
そうミネルヴァは言う。
スローライフをして欲しいとは言っていたが、それを介してこの世界をよりよくするヒントがミネルヴァという女神様は欲しいのかもしれない。
俺がそう考えつつも、まずは既存のよく見たことのある形でそれを現すことにした。
まずはその知りたい範囲をこの屋敷に設定して……と思いながらスマホを取り出す。
ゲームのようなやや透けたような地図がよく、立体構造が分かった方がいいのか?
それともそれぞれの階層を、上から見るタイプの、見取り図のような地図の方がいいのか?
だがどうせならゲームのように一部壁が透き通ったりしたトイズの方が全体が見通せていいだろう、そう俺は思って念じてみる。
たまたま電源を切っていたスマホが小さく音を立てて、真っ黒な画面に地図のようなものが現れる。
見た範囲では俺たちが今いる階の様で、ちょうど、調理場であるここが起点として設定されているようだった。
だから俺は指を滑らせて、ここ周辺の部屋を確認し、
「ここの隣が工具などが置かれた場所、その隣が更衣室のような場所、その隣にソファーのある客室のような場所……」
見ながら何があるのかを口に出す。
そして屋敷をぐるりと一周して調理場まで戻ってこれたので俺は、
「これでどうでしょう」
「すべて正解でございます」
セバスチャンがそう答えたのだった。
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