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噂話が本当にできるわよ

 何かを察したらしいミネルヴァが、俺にそう進めてくるのを聞きながら俺は、もしやあの手に入りにくいゲーム機ではと思った。

 それは確かに興味がある。

 二人以上のプレイで楽しいのもあるしと俺が思っているとルナが、


「げーむ、ですか。楽しそうですね。でも異界のものですか?」

「異界の物といっても、多分俺達の世界の玩具じゃないかな」


 そう思ってミネルヴァに目配せすると、


「多分あれだと思うの。後で遊びに行きたいわね」

「でももぢここに住むのであれば、必要なものは買い揃えないといけないし、お金も必要です。まずは生活のめどを立てないと。衣食住が整って初めて、心の余裕が生まれるような気が」

「う~ん、確かにそうね。それにスローライフ予定だし」

「てっきり俺、ログハウスか何か作らされるのかと思いましたよ」

「……作ってみる?」

「レベルが高そうなので、もう少し楽なものからお願いします」


 俺はそう返しているとそこで、先ほど家から出てきた幽霊さんが、


「ではそろそろこんな場所で立ち話もなんですから家に案内しましょう」

「ありがとうございます。……所で幽霊の貴方にもお名前があるのでしょうか」

「ありますよ。私はセバスチャン、管理をしております。執事として仕えておりますので」

「そうですか……誰に仕えているのですか?」

「私はこの“屋敷”に仕えていますね。しかし……随分と堂々とした方ですね、貴方は」


 そこで幽霊セバスチャンが俺の方を見て頷いている。

 そんなに堂々としていたか? と俺は思っていると、


「いえ、案内をしに出てきたら悲鳴を上げられて攻撃されるのもちょっと……。浄化されそうになったこともありましたしね……。しかもこの屋敷に一度でも入ったら二度と出てこられないんだとか、出てくるとまるで別人のようになっていて幽霊と入れ替わって、入った人間はその屋敷の幽霊にされるだの異次元に飛ばされるだの……よくもまあ想像力豊かに言ってくれますよね」

「は、はあ……それで、そういった事が出来るんですか?」


 俺は何となく気になって聞いてみるとその幽霊が首を振り、


「どうやってそんな事が出来るのですか。よっぽどな特殊能力チートがなければそもそも異界にはつなげませんしね」

「そ、そうなんですか」


 それを聞きながら俺は良かったと安どする。

 やはりよく分からない異世界の事情なので、そうだったら怖いと思ったがそれはなさそうだ。

 などと俺が思っているとそこでミネルヴァが笑顔で、


「でもジングウジの特殊能力チートなら出来るわよ」

「……え?」

「噂話が本当にできるわよ」

「……いえ、そういった事は特にしたくありませんので」


 冷や汗を垂らしながら俺はミネルヴァに答える。

 何が楽しくて、そんな怪談物のラスボスのようなことをしなければならないのかと。

 というか倒される側になるのはごめんこうむりたかった。


 そう答えるとミネルヴァが楽しそうに、


「やっぱりジングウジを選んでよかったわ。さあ行きましょう。幽霊のセバスチャンが壁抜けで中に入ってカギを開けてくれたわけだし」

「……幽霊ってどうやって持ったりすり抜けたりしているのでしょうか」

「存在が消えない程度に密度を薄くして、そこにある物体の分子と分子の間を通って中に入って再構築をしているのよ」

「……高等技能のような気が」

「そうなのよ。実は幽霊ってああ見えて選ばれた存在なのよね……本人が分かってなくて暴走をよくしているけれどね」


 などとミネルヴァが言っていたのだった。

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