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遊びに行きましょう

 やってきた屋敷は、意外に手入れをされているらしかった。

 しかも、俺たちがいる門から見ても、高い塀がかなりの距離に渡って連なっている。

 大きな屋敷。


 お化け屋敷だの、名前に幽霊屋敷だのがついているからさぞ手入れのされていない不気味な屋敷かと思ったがそんなことはなかった。

 その屋敷の様子を見ていたルナが、


「随分と綺麗ですね。これだけの状態を維持するのには、庭師なども含めて結構な人数が必要な気がするのですが、そこまで維持管理をされているのでしょうか? いくらすぐに逃げ出すからといっても、安すぎる気がします」

「さすがは公爵令嬢。言われてみるとそんな風な気はしなくもないが、でもそうなるといったい誰がそれをやっているんだろう。まさか幽霊がやっているわけがないだろし」


 俺ガン逃げなく呟くと、そこで、窓が開いて白い霧にも見えるようなお化けがふわふわと外に出てくる。

 お化け、幽霊としか言いようがない、俺がゲームや漫画といったもので見たことのあるあれだ。

 ちなみに手は三角形の形をしていて両手があり、手には籠がある。


 昼間の光の中、特に成仏するわけでもなくふわふわと幽霊はどこかに飛んでいき屋敷の陰に隠れて見えなくなった。

 あまりにも間抜けな心霊体験に俺は、どう反応したらいいのか迷っているとそこでミネルヴァが、


「ここの幽霊たちは温厚で、屋敷の管理もしてくれているのよ」

「……そうですか。ところで憑りついたりするのですか?」

「出来るわね。あまりしたくないみたいだけれど」

「そうなのですか?」

「ええ、魔力を消費しちゃうからね」


 どうやら憑りつくと幽霊は魔力を消費するらしい。

 となるとあの幽霊は魔力の塊なのか? と疑問がわくと、そこで目の前の屋敷の入り口の扉が開く。

 現れたのは、またも白い幽霊だったが、幽霊はここまで飛んでくると、


「あなた方が新しいここの住人ですか。そしてそちらは女神様のように見えますが、私の気のせいでしょうか」


 幽霊の目と口が動いて声を出している。

 そして女神様だと知っているようだ。

 するとミネルヴァが、


「そうよ女神よ。そしてこちらの男性は私の異世界から読んだ客人だから低調にもてなしてもらえると嬉しいわ」

「そうなのですか。もしやこちらにしばらく泊まるのですか?」

「ええ、ここを拠点にして今回は挑戦してみようと思って」

「わかりました。フィルロッテ様にはお伝えしておきますか?」

「伝えなくてもここに来れば様子見に来るのでは?」

「いえ……それが最近、異世界のゲームとやらにハマってしまい、屋敷の方にほとんど来ないんですよ。わざわざ伝えに行っても、ちゃんと聞いているんだか聞いていないんだか……」


 幽霊が困ったものですと嘆息する。

 何かシュールな光景を見ているというか自然に会話が成り立っているのが少し奇妙な感じがすると俺が思ってみていると、


「ゲーム? ゲームってどんなゲーム?」

「さあ。異世界に行って、なんでもフクビキでカデンリョウハンテンで当たったから買えたとかなんとか」

「……後で遊びに行きましょう、ジングウジ」


 ミネルヴァがやけに真剣な表情で言い切ったのだった。

 

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