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幽霊屋敷を借りたいというと

 こうしてそのうちあの冒険者のおじさんたちと戦う羽目になりそうな俺は、その危機をどうやって乗り越えるかについて考えたが、全力で彼らと顔を合わせたら逃げるのが最適だと理解した。


「よし、それで行こう。うん」

「心は読まなくても大体わかったわ。……さっきの人達から逃げるのね」


 ミネルヴァがそういって当ててきたが俺は、そ知らぬふりをした。

 まだ彼らが近くにいるかもしれないからだ。

 もしくは仲間が告げ口をするかもしれない。


 その両方の可能性を考慮して俺は、特に答えない。

 決して、そう決して、格好が悪いから言わなかったわけではない!

 それからこの謎の果実のジュースを飲む。


 味は桃とパイナップルを足したような味で甘みも程よく、美味しかった。

 これはまた来たら飲みたい味だ、そう思いながら俺は、ギルドの屋敷などを借りる、物件紹介窓口の方に向かう。

 すぐそばに今募集中の物件があるが、そのうちの一つにすぐに目が行く。


 掲示板にたくさんの物件が文字で書かれて貼られているが、その中でお化けのような白い物体のイラストが描かれているのはこれだけだったので、すぐに見つけられた。


「“フィルロッテの幽霊屋敷”、これか。フィルロッテって人の所に直接行かないといけないのか?」

「ああ、フィルロッテちゃんは、不老不死の幼女よ」

「……」

「私という女神の高みに上りつめようとするなんてね……結局失敗して、幼女のまま不老不死になっちゃったのよね」

「……そうですか。でも幼女のままなのは大変なのでは」

「優秀な魔法使いだから、イケメンの人形を作って大抵のことはやらせているから大丈夫なのよね」

「そうですか……。でも不老不死の力を狙ってといった物語がありそうな気が」

「それがね~、彼女の資質と偶然のあわせだから唯一の成功例で他の人だと“消滅”しちゃうのよね。あの子、10000年に一人の天才な方だったし。あ、でも多分、ジングウジの方が強いわよ」


 そこは自信をもっていいわとミネルヴァが言うが……俺は、どれだけ俺の設定は盛られているんだろうという気がしなくもなかったのだった。

 そしてギルドの窓口に来て幽霊屋敷を借りたいというと、


「ここの町は初めてですか? あまりおススメはできませんよ」

「ですが料金が安いのは魅力的で。お願いできませんでしょうか」

「……ちょうど住人が逃げだしてきて、先ほども詐欺だの家賃返せだの煩かったので、またいつものようにフィルロッテさんの家の住所をお渡ししてそちらに向かってもらったばかりなのに……本当によく引っ掛かりますね」

「え、えっと」

「それでもそこに住みたいのであれば、止めません。いい授業料になったとお考えください。先ほどの人にもそう説明したのに……」


 といった愚痴に適当に相槌を打ちつつ、今日付でその屋敷に俺は住む事になった。

 それから地図を書いてもらいその場所に向かう最中、ミネルヴァが、


「女の子二人と一緒。これから一つ屋根の下でくらすのよ~」

「……」


 俺は無言でミネルヴァやルナの様子を見た。

 ミネルヴァは楽しそうで、ルナは頬を染めてもじもじしている。

 どうしようか、と思っているうちに……俺たちはある大きな屋敷にたどり着いたのだった。


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