表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/76

問題の先送り

 どうやらお酒を飲んでの喧嘩は、喧嘩両成敗で処理されるらしい。

 だが、それこそが彼らの狙いだとするならば、お酒を飲むのはよろしくない。

 未開の地にここにいる人たちを吹き飛ばすのは、女神パワーで記憶消去ができるとしても俺の良心が痛む。


 だからどうしようかと俺が考えて、すぐに思いついた。


「これから宿を借りるか、家を借りるかする関係で、見て回らないといけないのです。ですので今はお酒はちょっと……」

「なんだ、この町を拠点にするのか?」

「はい、その予定です。ちょうどいい物件も、たまたま食事をした時に、隣に座った方から教えていただきまして」


 そう返した。

 今はほかに用事があるので無理なんですアピール。

 どうだ! 俺のコミュニケーション能力は! と心の中でドやっていると、その冒険者らしいおじさんが、


「どこがいいと聞いたんだ?」

「なんでも安くて部屋も広いというこの町にある“お化け屋敷”を借りれたらと思っていますが……どうされたのでしょうか」


 そこで冒険者のおじさんの動きが止まった。

 そこはかとなく顔色も悪いような気がする。

 そうしたのだろうと俺が思っているとおじさんが、


「やめておけ、悪いことは言わないからやめておけ」

「そ、そんなに危険な場所なのですか?」

「……幽霊が昼間から現れるのも怖いが、あいつらは悪戯好きだし何を考えているのか分からないんだ」

「そうなのですか。悪戯好き?」

「そうだ。俺だって、気が付いたら以前の冒険者おいていったらしいワンピースに、俺の服が入れ替えられていて……たまたまちょっと大変な冒険に出たが、戻ってくるとそれ以外服がなくてな……」

「は、はあ」

「それに、仲間にならないかなというかのように、時折その幽霊が俺たちの寝ているところを覗きに来るんだ」


 そう怯えるようにつぶやく。

 だがこのおじさんたちの話を聞くと、以前この屋敷に住んでいたようあった。

 だがその程度であれば、


「お金もあまりありませんし、とりあえずは泊まってみます」

「そうなのか? 大抵あの屋敷に最長で住めたのは一週間らしいからな。なのに、借りた代金は三か月分からなんだよな……」


 どうやら長い期間の契約にして、中の人が音を上げる事で儲けるためにそのようなお値段らしい。

 黒い設定だ、そう俺は思いつつも、いざとなれば幽霊さんたちは女神パワーで何とかしてもらおうと思いつつ俺は、


「色々とお話しいただきありがとうございました」

「あ~……まあ、それでも行くっていうなら止めねぇ。実際に俺たちも、行ってみたらこのザマで三日しか持たなかったからな。今日のところは喧嘩を売らないでおいてやる。だが、そのうち力試しはさせてもらうぞ。新入りの能力を知るのが俺の一番の趣味だからな」


 そういって冒険者のおじさんは去っていった。

 どうやら新入りに挑戦するのが趣味らしい。

 どんな趣味かと俺は思いつつも、


「これって問題の先送りなのでは」


 という事に今更ながら俺は気づかされてしまったのだった。

評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ