普通の特殊能力
こうして謎の猫耳少女が俺達の中に紛れ込み食事をしていったわけだが。
「結局あの猫耳少女の名前と能力は聞きそびれてしまった」
「紛れ込んで食べているんだし、自分で言ったりしないと思うわよ」
ミネルヴァにそう言われて俺は、確かにそうだなと思いつつも、
「特殊能力と言っていましたが、どんな能力だったのかは知りたかったですね」
「そうなの? 普通の特殊能力だったわよ」
「……特殊能力なのに普通なんだ」
俺は別の意味で突っ込みを入れるとミネルヴァが、
「でもジングウジの能力の方がレア中のレアというか、すごい能力だと思うけれど」
「そうなのですか? いまいちどう使おうか迷う感じではあるのですが」
「いろいろと応用が利く分、選択が必要かもしれないからね。アイデア次第で面白いことができそう」
「そのアイデアを出すのが大変なんだけれどな……それであの猫耳少女の能力とは?」
そこで俺が聞くとミネルヴァが笑う。
「“その他の人”。相手の認識を操作して仲間に入り込んでしまえる能力よ。それで自然とジングウジ貴方の隣に入れたのね」
「なるほど。でも俺、すぐに気づきましたよ?」
「それは貴方のレベルが高いからじゃないかしら。結構能力は、盛って、盛って、盛って、盛りまくったはずだから」
それを聞きながら俺、今どうなっているのかなと思いはした。
だがすでに漫画、ラノベ、ゲームで最強主人公について学習済みの俺は、その知識を生かすべく行動しようと決めた。
そこでミネルヴァの行き先についていった俺は、
「そういえば今、どこに向かっているんだ?」
「ああ、ギルドよ。まずは身分証明カード代わりのギルドカードが必要だし。でもそういえばルナはどうする?」
ミネルヴァがルナに聞く。
そういえばルナは逃げてきたのだと思い出したけれど、そこでルナが、
「ギルドカードは持っていませんが、本当の内容を記すと故郷の人に知られてしまうので、無理ですね」
「……そういえばジングウジもこの世界の人間ではないし私も女神だし、本籍地がないわね。……どこを本籍地にするのがいいかしら。最果ての地の村といって適当にでったげようかしら」
「そういった嘘を書くと、ギルドカードを作る時の用紙が爆発するのでは」
ルナがさらっと怖いことを言ったがミネルヴァが、
「実は抜け道は結構あるのよね~。それにこの私、女神ミネルヴァの名にかけて、人間ごときにばれないようにすることなんて造作もないわ」
「……何をなさるつもりなのでしょうか」
「書くときにちょっとした“偽情報”を投入すればいいの。大丈夫よ、私は女神ですもの。いくらでも書類を偽造ねつ造、できるわ!」
そうドヤ顔で告げた女神様だが、そこは自信満々に言っていいところなのだろうかと俺は思った。
だが俺はこの世界の人間ではないので、作れないだろうから女神であるミネルヴァの力が必要だった。
だからそれ以上俺は何も言わず、ミネルヴァに案内されてこの世界、この町のギルドにやってきたのだった。
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