隠したりしているのですか?
手に入れた石などを売ると、三人でひと月程度宿に泊まれるまとまったお金を手に入れた。
とりあえず自己のお金は自分で管理という事で、三等分して分けるとルナが、
「あの~、私もこんなに貰っていいのですか?」
「手伝ってもらったしそれくらいになるんじゃないのか? 山分けすると」
「……ありがとうございます」
そういって嬉しそうに微笑むルナを見ながら、特に俺は間違えていないよなと思う。
それからまずは何か食べようか、といった話になり、
「任せて! 今日という日のために私は沢山のお店を調べてきたの!」
「そ、そうですか。では女神様、よろしく」
「ええ。……それと女神様と呼ぶのは止めてもらおうかしら。目立ちすぎるわ」
「確かに街中で女神様と呼ぶのは……そういえば女神様の像があったりするのですか? もしそうなら姿でもバレますが、隠したりしているのですか?」
「そうね……でもいらぬ混乱は必要ないから隠しておきましょうか。それと名前はこの世界での私の名前で十分ね。みんな使っているし」
そう女神様は笑う。
どうやら女神様は自分の名前が使われても平気な性質であるらしい。
「どんな名前なのですか?」
「ミネルヴァよ。そう呼ばれているわ」
「そうなのですか。そういえば、名前を教えてくれるなら、もう少し早くてもいいのでは?」
「そういえばそうかも。ジングウジの様子をしばらく見ていたから、初めてあった気がしなくてね~」
「え! い、一体いつから俺のことを見ていたのですか?」
「そこそこ前からだよ~。だから、ジングウジがエッチな本を部屋のどこに隠しているのかすらも、私は知っているのよ~」
「……」
俺は沈黙した。
それは知らなくてもよかった話のような気もする。
そう思っているとルナが不思議そうな顔で、
「あの~、ジングウジさんは、その……」
「ジングウジでいいよ」
「で、では私もルナと名前の呼び捨てでお願いします。そ、それでですね、ジングウジは、どうしてこの世界でだれもが知っている女神様の名前を知らなかったのですか?」
「ああ、それは……女神様……ではなくて、ミネルヴァ、話してもいいか?」
とりあえず俺を呼んだ女神様にそう聞くと、頷くので、
「俺は異世界から、女神様に呼ばれてきたんだ」
「……本当ですか?」
「あ、ああ……」
そう答えるとそこでルナが真っ青い顔になり、
「これから魔王復活とか天変地異が!?」
「いや、スローライフを楽しんでみたいとか、異世界人を呼んでみたいといった理由らしい」
「そう、なのですか?」
「だと俺は思っていたけれど……ミネルヴァは違うのか?」
そう俺が聞くとミネルヴァは笑って、
「ジングウジの言う通りの予定よ。しばらくゆるゆる過ごす、そう思って彼を呼んだの」
「そうですか……よかった……いえ、最近魔王が復活したって妙な噂があるのですよね」
「ああ、そちらは勇者たちにお任せしているから大丈夫なはずよ」
「……それはひょっとして魔王が復活している?」
「しているわよ?」
ミネルヴァは、ルナの疑問にあっさり答えたのだった。
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