優しいんですね
ルナの持っていた小瓶を借りてその水を採取した。
これは回復効果があるらしいが、
「女神様、これは売ってしまった方がいい類のものですか?」
「そうね……これから戦闘になることもそこそこあるだろうし、回復系は取っておいた方がいいかもしれないわね。……変わった効果もあるし」
「変わった効果? ええ「ふぎゃあああ!」」
そこで女神様が何の効果があるのか説明しようとした所で、ルナが悲鳴を上げた。
よく見るとそこにはネズミの様な魔物がいて、それを見てるルナは悲鳴を上げたらしい。
そしてそのまま何か呪文を唱えると、
「“業火の球”!」
そう叫ぶとともに炎の球が五十個以上現れて、一斉にそのネズミの魔物……一匹に飛んでいく。
ゴガガガガガ
炎の球が連続してそのネズミのいた周辺に当たって大きな音を立てる。
それを見ながら俺は女神様に、
「こんな攻撃をしないと倒せないような敵なのですか?」
「いいえ、もっと低級の魔法……“炎の花弁”くらいで十分倒せるのだけれど、ほら、ルナはこう……怖がりな所もあって」
「……なるほど」
俺はルナの様子を理解した。
魔物が出てきて怖くなってあんな派手で強力な魔法を使ったのだろう。
戦闘になれていない部分があるのかもしれない。
そもそも公爵令嬢が戦闘になれている状況の方がおかしいのだ。
だから当然の反応なのかもしれないと思っているとそこでルナが、
「うう、またやっちゃった」
「また?」
「はい。魔物と出会うとこんな風になっちゃって。もっと落ち着け、って言われるんですけれど……無理」
「……あ~えっと、これから少しずつ頑張っていけばいいんじゃないかな」
俺はそうフォローするとルナが俺を見上げて、微笑み、
「優しいんですね」
そう言ったのだった。
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