この水
異世界ではうさ耳の生える毒草があるらしい。
でも、と俺は思う。
「コスプレイベントみたいなのに使えないか? それ」
「使えるわね。その内何かに使えるかもしれないけれど……素手で触ると、それだけで生えてくるのよね」
女神様が困ったように俺に言うが、確かに触ったら生えてくるのであれば触れない。
だがそれは素手の話だ。
そうなってくると、
「ハンカチでつかんで回収しておくのはどうでしょう。そういえば乾燥させても同じ効果が?」
「得られたはずよ。ただ弱くはなった気がするけれど……うんうん、それであっているわ」
どうやら女神様は検索を行ってくれたらしい。
というわけでとりあえず、うさ耳が生える草を俺は手に入れた。
だがうさ耳が生えるとなると、
「もしや猫耳が生えたりする草も?」
「あるわよ。それに女体化する草も」
「いえ、女体化する草は結構です」
「でも以外にジングウジ、可愛くなそうな気がするけれど」
その一言に俺は頭痛がしつつ遠慮した。
そしてそれらのものを一通り集めて、ルナにも売れそうな石をいくつか集めてもらい、
「さて、そろそろ町に言って手に入れた品を売ろう」
という事で出口に向かう。
女神様が出口はたぶんこっち、というので付いて行くと……先ほどとは違う出口に出た。
ただ綺麗な泉がすぐに沸いていて、それを見た女神様が、
「この水、妙な効果と回復効果があるわね。持っていけないかしら」
「でも俺は何も持っていないですよ?」
そういうと女神様が、
「特殊能力を使いましょうよ」
「……いえ、それはちょっと」
といった話をしているとルナが、
「あの、これ、どうぞ」
小さな小瓶を差し出したのだった。
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