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私のお財布

 この美少女は、無実の罪で軟禁されそうだったらしい。

 しかし、昼ドラかというようなドロドロ展開だなと俺が思っていると、


「私、私、何も悪くないのに……酷い目にばっかり合う……今日だって、お金は落としちゃったし。しかもお金が足りなくなりそうだから冒険者の人にここに連れてきて少しでも生活費の足しにしようと思ったら、いきなり襲われて……だから返り討ちにしたら、ここに置いてきぼり……うう」


 ぶつぶつ、自分のこれまで、おそらくは昨日今日の間にそう言ったこともあったらしい。

 気の毒にと思いながら、ふと気づく。

 つまり俺の能力は、“空間支配”能力である。


 しかも持ち主が分かっているのであれば、“盗む”事にならない。

 というわけで俺はその目の前の少女に、


「えっと、その落としたお金は、財布に入っていたのか?」

「はい、お財布に入っています。財布は水色の縞模様に、黄色い花が詩集とビーズでつけられたものです。……私が作りました」

「手先が器用なんだな。一点もの?」

「はい」

「ほかに何か特徴は?」

「財布の中に、髪を止めるピンが一つ入っています。青い鳥をかたどった宝石が一つついています」

「なるほど、よし、挑戦だな」


 俺はそう呟いて念じてみる。

 目の前の不幸な少女は不思議そうな顔で俺を見ている。

 女神様も面白そうにこちらを見ている。


 そして俺は特殊能力チートを使った。


ポトン


 目の前に先ほど少女が言っていた財布が落ちてくる。

 少女はしばらく凍り付いたように動かなかったがすぐに、


「わ、私のお財布ぅうううう」


 嬉しそうにそれに飛びつき、中を確認したのだった。

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