第5話 不死の妖狐
「角……?それがどうしたというのだ。」
「これが……っ!」
あれ、これがなんだ。
てか、本当に角2本増えただけ……いや、魔力が減っていかない。
まさか、身体能力の向上まで───
『大丈夫だ。戦えばわかる。てかな、そこはお前を倒す力だ!とか言えよ。本当にしまらねぇな、お前。』
「あー、はいはい。」
俺はそう言いながら軽く地面を蹴るとその速度は倍ほどだった。
「なっ!?」
獅子王も俺もかなり驚いたが俺は勢いで攻撃を仕掛ける。
まじかよ、強くなりすぎじゃないか?というか、今の瞬間魔力が減ったような。
そうこう考えてる内に獅子王の反撃だが動きが見える。身体能力の方は格がもはや違うのだろう。
今までとは比べものにならない。
俺と獅子王で激しい攻防を続ける。
だが、正直な話だ。俺自身は7割程度の力しか使ってない。
こんなに変わっちゃうもんか?
「とりあえず、この辺で終わらすか。」
俺が腕を上げると
「待ってくれ。」
と、獅子王が手の平を出していた。
だが、その手は人のものだった。
×××
「お前……まさか。」
「あぁ、俺もお前と同じ人間さ。」
そうか。強化系ではなく変化系だったのか。
あくまで獣人といえど、獣耳と尻尾が生えているだけで後は人と変わらない。
だが、こいつには鬣もあれば大きな獅子の足もあった。
色々繋がった。
「それで?お前の力はなんだ。いきなり角が……ってお前角はどうした?」
え?額を触るとそこに角はなかった。
だが、右手に鬼殺しが戻っているのに気付く。
『戦闘が終わったから解けたんだよ、鬼神[心]覚醒がな。』
「……お前もよくわかってないのか?ならしょうがない。あいつのとこへ行くか。」
×××
俺は獅子王に連れられ、まずは村へと戻る。
やっぱその仮面は外さないんだな、獅子王。
「あ!シズキ!探したんだよ───って獅子王さん!?」
コロナが俺の方へ叫びながら走ってくる。
こいつって元気ない時あんのか?永遠に元気、とかいう能力じゃないよな?
……冗談だよ。
「んなことより、俺に用か?」
「あ、そうそう。ミダラさんがシズキの事を呼んでるの。」
え?ミダラさん?大丈夫?そんな名前の人。
いかがわしいお店の店長さんとかじゃないよな?
「あぁ、今俺らもミダラのとこへ向かうとこだったんだ。」
は?その人だったの?今から会いに行くの……。戦いの傷をいかがわしいお店で癒すの?
いや、もしかしたら俺の勝手な想像だよな。失礼な事言いすぎた。
×××
思いっきりいかがわしいんだけど、この建物。
「あぁっ!!すごくいいぞっ!」
……今、すごくやばいものが中から聞こえた気がするんですが。
本当にここで合っているんですか?
「よし、行くぞ。」
合ってるんですねぇ……。
真面目にここはやばそうな雰囲気しかないぞ。
なんだよ、このザ・夜の店みたいなとこは。
「今、ミダラ様は人を待っていますので獅子王様であれどお通し出来ません。」
「多分待ち人ってのはこいつだ。こいつだけ入れてやってくれ。」
そう言いながら俺を親指で指す。
俺1人でここに入るの?すげぇ嫌なんだが。
「シズキ様ですか。どうぞ、こちらへ。」
俺は内心帰りたい、なんて思いながら扉を開ける。
×××
「おぉっ!来たか、シズキよ。」
俺が扉を開けて最初に思った事を言おう『帰りたい。』
扉を開けたその先に、長い金髪に狐の耳を生やし、上半身はブラジャーのみ、下半身は下着とホットパンツの姿をしていて、腰の辺りから9本狐の尾が生えている。
巨乳の歳は20代前半くらいだろうか?そんな女性が立っていたのだ。
この状況でここがいかがわしいお店以外の何に見えると言うんだ?
逆に何として見ろ、と言うんだ?
それとこの人、なんで俺の名前知ってんだ?
狐の女性は本をめくりながら
「そう疑問ばかりでは困るぞ?妾はミダラ、『全知』の能力を持つ狐の獣人じゃよ。」




