第2話 獣人
「大丈夫か!?……ってもう片付いてんのか。」
「うん、シズキがやってくれたよ。」
コロナがそう伝える相手はこの村の村長ガラム。
能力者で能力は『探知』、虫の知らせみたいなもんかな。
自分や自分の身の周りの人たちの危険を察知できる能力らしい。
魔力の消費がない、がやっぱり戦闘時には役に立たないのはかなりネックだ。
「流石だな、シズキ。」
俺は村長に結構気に入られている。
なんでも「力なくとも、補う努力をする奴は好きだ」とかなんだでな。
「とはいえ、犠牲は出ちまったよ。」
「犠牲なくして守れるものなどない。お前がお前を犠牲が出たのを理由に責めるのなら、俺はその倍、お前を褒めてやる。」
この人はまるで俺の親父のような人で、尊敬もしてる。
ガラムと死んだ人たちの埋葬をすませ、俺らはそれぞれの家に帰る。
×××
とりあえず、俺と鬼殺しの契約について詳しく教えようと思う。
まず、高い身体能力だがこれは持続型ではない。
1度上げた身体能力も契約を解除すれば元に戻る。
身体能力向上の副産物として魔力の流れも見えるようになる。
多分、鬼殺しの力。鬼の目って俺は呼んでる。
そして、次に身体能力の向上だが。
これはカラオケのようなもんだ。一定の魔力を一定時間ごとに支払う事で高い身体能力を借りる。
この魔力の量で俺が得られる身体能力も変わるって仕組みだ。
最後に鬼神[刃]解放についてだが、よくわかっていない。
俺の与える魔力を増やす事でその増加分を俺にではなく、こいつが使う事であぁなるのか、と俺は思っているが実際のとこよくわからん。
次に獣人について、だ。
獣人は前も言ったように身体能力に人間との大差はなく、それぞれのベースになっている動物によって、研ぎ澄まされた5感がある。
寿命が短い。
ここは獣人の住む異世界でも小さな村で神を信じている。
この村の守り神はチャナカドゥというらしい。
元々はこの村の英雄で、その人を称えるために出来た、という伝説だ。
×××
後、みんなにしなきゃいけないとすれば、俺の過去の話。
俺は突然親に捨てられた。
そう、前触れもなくの出来事だったんだ。
俺はこいつ鬼殺しを手に入れるために近くの山へ友と行ったんだ。
そこまでしか記憶がないんだが……その後は何が起きたかわからず、俺は鬼殺しを背負って家に帰ると、母親が俺を見るなり
「うちになんの用よ!怪物!」
と言われた追い出された。
何が起きたのか当時の俺にはわからず、街を1人で歩いていたら亀裂にのまれ、この獣人の世界にいたんだ。
亀裂から出たばかりの俺は気を失っていて、それを見つけてくれたのがコロナだったらしい。
コロナも俺と同様かなりの量の魔力を持っている。
さらに宝具『天照』を扱えるらしい。
この天照ってのは力が俺は知らない。
聞いても教えてくれないんだよ。
×××
「なぁ、コロナ。」
「なぁーに?シズキ」
「『獅子王』ってのはどんなやつなんだ?」
そう、『獅子王』この村で最強の戦士らしい。
まず身体能力の格が違うらしい、この時点で能力は強化系なのだろう、そう思っている。
「んー、よくわかんないんだ。基本森で暮らしてるし、村にも顔出さないし。」
おいおい、顔出さないって本当に生きてるのか?森で死んでないか?
×××
その夜、俺はチャナカドゥの像のとこへ行く。
理由は特にない。ただ、1度も見たことないから見てみたかったのだ。
その像は、なんというか獣人の守り神、ってより人間の世界でいうとこのインディアンのような格好だった。
上半身は裸で特殊なお面を被っていた。
流石に……やばいだろ、こいつ。
俺はちょっと怖くなって離れようとした時だった
「今宵も月が美しい。ちょうどいいなぁ。5日後は満月だ。」
俺はその声の主に目を奪われた……だってそうだろ?そいつは像の上に座っていて……
姿は完全にチャナカドゥだったのだから。




