第1話 孤独な鬼
こんにちは、絶望都市と短編小説を3部書かせてもらっているCarmillaです。
この度は作者のたーさんから外伝の許可をいただき
Bloody Contractorの外伝を書かせてもらうことになりました。
世界観を壊さないように頑張るつもりです。
この世界は普通じゃない。
とはいえ、この世界に生きる者たちにとっては普通、日常である。
たくさんの種族がいるのも、魔力という力が存在するのも、能力者なんてものが存在するのもだ。
俺は黒夢 紫月、17歳。
元々とある異世界にいたんだが、何かの表示に亀裂にのみこまれ、この別の異世界にいる。
普通じゃ考えられない程の膨大な魔力を持っている。だが、魔法は習得していないし。
ましてや、『能力』なんてものも俺にはなかった。
俺はすごく無力で、この膨大な魔力すら宝の持ち腐れとしか言いようがなかった。
だが、俺は『鬼の子』なんて異名まで付くようになっていた。
きっかけはこいつと出会った事だ。
───宝具『鬼殺し』。
×××
いきなり1人で異世界に飛ばされて寂しくないか?と聞きたい人もいるだろう。
寂しくないと言えば嘘になる。
だが、元々俺は捨て子の様なもんで、愛情なんてものを知らない。
だから、寂しいというわけでもない。
ここの環境には未だに慣れない。
"獣人"なんて種族がいるんだぞ?動物の耳や尾の生えた人間だ。
身体能力は正直あまり変わらない。
だが、五感が圧倒的に違う。
動物のベースによって研ぎ澄まされてる五感は様々だ。
聴覚がズバ抜けたやつ、視覚がズバ抜けたやつ、様々だ。
ちなみに獣人は姓というものがないらしく、俺も馴染むために『シズキ』と、名乗っている。
「シズキぃ!!!」
元気に俺を呼びながら走って来るのが、犬型獣人のコロナ、当然オスメスは存在していて、コロナはメスだ。
人間より寿命が短いらしく15歳で独身の彼女はかなり遅いらしい。
そして、亀裂から放り出された俺を見つけてくれたのはこのコロナだ。
嗅覚がズバ抜けていて、聴覚も高めらしい。
それ以外は標準程度、との事だ。
それが、犬型獣人の特徴らしい。
「どうした?いつにも増してアホな顔して。」
「アホ!?……ってそうじゃなくて、出たんだよ!」
コロナのその言葉と表情で俺の顔が強ばる。
「使徒か。」
「……うん。」
×××
俺はコロナに案内され、使徒のいる広場へと向かった。
もうこの時点で被害は結構なもんだ。
だが、いつもより被害が大きい。
「この被害は一体。」
「今、村の能力者はみんな狩りに出てていないの!だから!」
なんてタイミングだ。これはまずい。この村の奴らは俺からすりゃ家族だ。
もう5年も一緒にいる、愛着だってかなりな。
「コロナ……下がってろ。」
「うん、任せるね。シズキ。」
俺は数歩前に出て剣を地面へと突き刺す。
そう、この剣が『鬼殺し』だ。
『今日も頼むぜ、鬼殺し。俺の魔力を食え、そして俺に力をよこせ。』
俺は心で鬼殺しにそう語りかける。
宝具『鬼殺し』、効力は契約者の魔力を食す事により高い身体能力をくれる。
後は魔力により発生したものに物理的に触れることも出来るのが、この鬼殺しだ。
あともう一つ、秘密兵器ってのもある。
『どうせ、俺の魔力なんかは役立たずだ。魔法も使えねぇ。能力もねぇ。だから、存分に食えよ、相棒。』
体の周りを赤い電気が一瞬走る。
「───契約、完了だ。」
×××
今回の使徒は亀型、巨大な体はもちろん。
甲羅の両側に大きな盾のようなものを付けている。
亀のような見た目の割に動きははやく、俺が攻撃しようとすると、その両側に付いた盾のようなもので防ぐ体制に入る。
俺は勢いを殺され、何度も弾かれる。
「くっ。これじゃ埒が明かない。」
攻略法は2通りだろう。普通に考えたらな。
やつに攻撃をしかけ、防御体制に入ったとこへフェイントを使うのが一つ目。
後は動きが早いとはいえ、やはりそこまでの速度はない、真正面から相手の動くスピードを上回り一撃で仕留めるのが二つ目だ。
俺の場合どちらでもない。
その二通りを使ったとして奴になんの仕掛けもないとは限らない。
だったら俺はあの盾ごとやつを砕く。
『相棒……もう少し食えよ。そんでお前の力にしろよ。』
鬼殺しから外側が黒く内部は赤い、なんとも禍々しい刃が現れる。
俺は防御体制に入る使徒に向かい、空中で一回転を入れ、その勢いを利用しその強化された鬼殺しを振り下ろす。
鬼殺しは甲羅を砕き使徒を一撃で葬った。
「……契約、終了。」
俺は鬼殺しとの契約を解除し、身体能力を元に戻す。
そして、使徒を一撃で倒したこれこそが、鬼殺しの……相棒の秘密兵器を俺はこう呼ぶ。
───鬼神[刃]解放。
どうでしょうか?本家Bloody Contractorには劣る点が多々あると思いますが、気に入っていただけたらこちらもよろしくお願いします。




