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World end   作者: ユーキ
1/1

ゲート

ある高校の女子便所で三人の派手な女子と、小柄で目つきの悪い女子が向かい合って立っていた。


「便所飯とか初めて見たわー」


派手な女子のリーダー格、ユカは嘲るように笑った。

仲間の女子二人も同じように笑った。


「(教室で食ってたら、テメーらが弁当に虫だの砂だの入れて来るからだろうが…)」


目つきの悪い小柄な女子、神田 結は心の中で舌打ちをした。


「つーかさ、学校来んなつったよな?

何で来てんの? フユカイなんですけど」


ユカは追い打ちをかけるように、結に言った。

普段ならさっさとこの苦痛な時間を終わらせるために、結は黙って俯いているだけだが、

今日は違った。


「うっせーんだよ、このクソビッチ共が」


「…あ? なんつったコラ」


「毎度毎度、セコい嫌がらせしやがって、このノータリンが…」


「あぁ!? 調子こいてんじゃねぇぞ神田ぁ!」


「神田ぁ、痛い目にあってみるかぁ!」


女子高生とは思えない形相で叫ぶユカとその金魚の糞に対し、結はニヤリと笑うと、手に持っているカバンから本を取り出した。


「…何だそりゃ?」


ユカが怪訝そうに、結の本を見つめる。

それすらも結にとっては、愉快だった。


「…死ね、死ね死ね消えろーー」


ブツブツと憎悪の言葉を呟き始めるのと同時に、周りに紫色の光が現れる。


「死ねクソビッチが!! 『ゲート』」


紫色の光が、女子便所を埋め尽くした。

あまりの眩しさに、ユカ達だけでなく結も目を閉じた。

光は、しばらくすると徐々に収まった。


「なんだったんだ…」


恐る恐るユカが目を開けるとそこは、いつもの女子便所だった。

ただ、目の前にいた結の姿は何処にも無かった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


結は期待に胸を膨らませ、目を開けた。


「どうなったかな? あのクソ…お…ん…な…?」


目に映った光景は、いつもの女子便所ではなく、


「ここ何処だよ…」


何故かボロボロに朽ち果てたビルの屋上に立っていた。



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