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金剛山

作者: 真 有

美山である金剛山。





山頂付近は、深閑とした空間に包まれ、神域とされており立ち入ることはできない。



なので、国見城跡の広場が頂上となっている。



そこからは、大阪湾を一望することができ、自然の織り成す荘厳さと悠然さを肌で感じられるだろう。



四季によって様々な表情をみせるこのパノラマを眼下に見下ろしながら、幾何もの風景を脳裏に描いた。



晴天の時には、深々とした緑と白波の海、少し天井の低くなった大空との共演を味わうことができる。





さらに、この山の特筆して誇れるポイントがある。



金剛山周辺には、太平記の英雄である楠木正成ゆかりの史跡が多くあるというところだ。



歴史好きの者からすれば、有名どころかもしれない。



「悪党」と呼ばれ、ゲリラ戦を得意としその軍法は江戸時代にも流行したといわれている。



しかし、後醍醐天皇の優秀な側近であり、「三木一草」とも称されるなど、その忠誠心は日本人の鑑とまでいわれ、義にあつい人物でもあった。



日本の礎となる時代と歴史的関係のある金剛山は、その点も魅力的である。



かなり大雑把な説明になってしまったが、ここでは多くを語るまい。



日本には、素晴らしい山々が多く存在するだろう。すべてを見て回ったわけではないので、この山を決して最高だとか、一番であるなどとは言えない。




しかし、そこには、立ち入った者にしか分からない空気、匂い、風景があるのだ。



百聞は一見に如かずというが、「自然」を語る際にこれほど的を得た言葉はない。



それは、自然という曖昧模糊とした事実を形容する言葉がないからではなく、言葉の伝播を凌駕するある種の凄味があるからではないだろうか。



現に写真等をこえる、その場にしかない圧倒的な雰囲気に魅了されてしまったのだから。



ネット社会が複雑化、高度化し人工的なモノで溢れかえっている現代において、自然との関わりは貴重なものになっている。



山というものは、絶対的に実生活と結びつく自然を、改めて考えさせてくれる機会をくれるかもしれない。



話が飛躍しすぎてもいけないが、自然に対する畏怖の念や、偉大さを感んじることが希薄になりつつある現代人には触れる機会が必要である。



癒しをもとめて、健康のために、自然風景を写真に収めたくて、デートで、など理由は些細なことでいいだろう。



フランクに迎えてくれるのが、山であり自然の姿であると思う。



金剛山を通して、童心にかえりつつ、そう感じ、いや、自然に打ち拉がれて、そう感じずにはいられなかったのである。




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