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現想真魂録~幻想の勇者共が現代入り~  作者: 観測者S
第肆章 Its claws are knives, its fangs are forks.
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第35話 食後の休憩

術式機構ユニット紹介

『リベンジャー』

能力・エネルギーを圧縮・発散し、推進力や破壊力に変える

主な使用者・行成 茜

形状・ロケットのくっついた篭手

軍式格闘術部に所属していた頃に編み出した戦術を形にした結果このような形状になった。

元々2年前のグリムとの戦いで下半身不随となったため使われないまま保存されていたが、グリムとの2度目の戦いの際、グリムの拳を受け止めたことと、封印の際現れた鎖によって完全に破壊され、修復しない限り使用不能となった。

その名の通り、見事『リベンジ』を果たした術式機構ユニットである。

慎がグリムを封印してから、2日後。



夕方・高天原学園付属御神楽総合病院・病室



慎「……またここか。」


拓海「おや、目が覚めたね。」



慎が目を覚ますと、ベッドの横には拓海が座り、リンゴを剥いていた。



拓海「気分はどうだい?」


慎「あれからどうなった?」


拓海「僕も詳しくは知らないよ。僕が知っているのは、君が無茶極まりない作戦を瀕死で遂行したって事だけさ。」


慎「そうか。」


拓海「じゃあ僕はお医者さん呼んでくるから。」


慎「おう。」



拓海が退室する。



慎「……『存在を融合』だったか。取りあえず、寿命がすげぇ伸びたって事でいいんかな。」


慎「あとは適当に魔力の扱いでも練習しとくかな。」



数分後。



平賀「おっ、目が覚めたみたいだね。体に違和感はないかな?」


慎「ああ。すこぶる健康だ。」


平賀「そうか。なら、明日は様子見って事で1日止まってもらって、退院は明日だね。」


慎「わかった。ところで、今日の日付は?」


平賀「2021年の6月14日だね。」


慎「あれから2日か……。」


平賀「まぁ、あまり派手な事をやらかさずに、安静にしているように。」


慎「へいへい。」


拓海「それと分かっていると思うけど、来週から定期試験だからね。」


慎「知ってる。」


平賀「それじゃ、お大事にね。」


拓海「僕は皆に知らせてくるよ。」


慎「おう。」











翌日、午前中。



コンコン。



慎「どうぞ。」



ガララララッ。



荒垣「失礼する。」


ラビリス「失礼するで。」


山岸「お邪魔します。」


里中「失礼しまっす。」



警察関係の4人が慎を訪れる。



慎「今日はどのようなご用件で?」


荒垣「今回の事件についてだ。一応伝えとこうと思ってな。」


荒垣「今回はちっと特殊すぎた。しかも規模が規模だけにごまかしにも一苦労でな。」


慎「10人以上死んで、その犯人が消えました、だからか?」


荒垣「ああそうだ。『お前の中に封印した』なんて報告したら、お前の日常生活にまで影響が出る。だから、こうした。」


荒垣「『くだんの連続殺人犯は地域特有の怪物『暴走体』で、これまでとは違う特殊な個体であり、地元の協力者の協力を得て鎮圧した』ってな。」


慎「まぁ、それが妥当だな。」


ラビリス「体、大丈夫なん?」


慎「ああ。」


ラビリス「よかった。」


里中「あたしらさ、この事件が終わった後も、しばらくこの街にいることになったんだ。」


里中「いつまた今回みたいな事件が起こるか分からないからね。警戒しとくに越したことはないってことさ。」


山岸「私もいるし、困ったことがあったら、いつでも言ってね。」


慎「分かった。」


荒垣「んじゃあ俺達はこの辺で。」


ラビリス「お大事に。」


里中「またね。」


山岸「失礼しました。」










そして午後。



急にドアが開け放たれ。

文研部with科学部の面々が現れる。



栞里「慎!!!」


慎「ついにノックすらしなくなったか腐月!!!」


早苗「まぁまぁ……」


彩愛「慎くん!!!」



彩愛が慎のもとへ駆け寄り。



彩愛「よかった、目が覚めて……」



慎に、泣きつく。



慎「おい、俺ぁ生きてるぞ。」


彩愛「だって、だって……っ!」


霊夢「急に余命2日なんて話したら、普通そうなるわよ。」


勇太「っつか、慎が生きてるってことは……」


慎「ああ。寿命の問題はクリアだ。」


魔理沙「よかった……」


智美「よくあの化け物を制しましたわね。」


慎「まぁ、ようは簡単な話だったんだけどな。」


桃華「それにしても流石如月君ね、あの化け物に勝つんだもの。」


九重「それは遠回しな私達の批判か?」


桃華「い、いえ、そんなことは……」


健次郎「済まなかったな。私達の問題に付き合わせて。」


慎「売られた喧嘩を買っただけだ。」


妖夢「とにかく、慎さんが無事で何よりです。」


栞里「そうだな!それに、もしかしたらこの事で、慎のヒーロー伝説がまた一つ増えるかもしれないしな!」


慎「ヒーロー伝説なんて初めて聞いたんだが。」


栞里「そりゃそうだ。今名前を付けたからな。」


乾介「あの……」


慎「どうした?」


乾介「一つ、訊いていいですか?」


慎「言ってみろ。」


乾介「如月先輩の『正義』って、何ですか?」


早苗「乾介君?」


慎「それは『俺の持つ『正義』の概念』か?それとも、『俺の持つ固有の『正義』』か?」


乾介「えっと、後の方で。」


慎「そうだな……『己を捨てない事』だな。」


慎「何があっても己を保ち、一本の折れない『芯』を常に心に持っておく。それがどんなものでも、自分で分かって無くてもいい。」


慎「自分であり続ける事、自分を捨てない事、まぁそんなところだな。」


天音「実に慎らしいな。お前も言うようになったじゃないかい。」


勇太「……。」


慎「満足したか?」


乾介「はい。ありがとうございます。」


彩愛「よかった……本当に……」グスッ


慎「お前もいい加減泣き止め。」


霊夢「まったく……。」


早苗「それじゃあ、そろそろ帰りますか。」


天音「そうだな。あまり大勢で長居するものでもない。」


栞里「またな、慎。」



ガララララッ。


一行が退室する。



慎「……まったく、騒がしい連中だよ。」



セリフとは裏腹に、その顔は清々しく笑っていて。



慎「これ以上増えないことを願うばかりだねぇ。」



そして着実に、フラグを立てていくのだった。






ゲイザーの固有境界スペシフィチナグラニサ



ゲイザー「ねぇ、キミってさ、……」


慎「何だ、今度は何なんだ?」


ゲイザー「……メイドは好きかい?」


慎「……は?」


ゲイザー「しばらくしたら、『ボクからの紹介』って事で研修生を送ることになってるから、そのつもりで。」


慎「随分勝手な話だな。」











そして、もう一つ。



?「……ここが、いま慎殿の住まう『高天原』でござるか。」


?「『あの事件』からはや7年……慎殿は元気であろうか……」


?「またあの4人で笑い合うことは最早叶わぬ夢……しかし!!!」


?「拙者の、拙者等の熱き魂は消えていない!!!そう信じているでござるよ!!!」


?「待っているでござるよぉ!!!慎殿ぉおおおおおお!!!」


?(母)「何やってんだい。早く車乗んな!」


?「……後の言葉は、慎殿に会うまで取って置くでござる。」

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