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現想真魂録~幻想の勇者共が現代入り~  作者: 観測者S
第参章 Sometimes you need a break.
16/62

第15話 ロード『文化研究部』 後編

能力ドライブ紹介

『ストロングクマさん』

効果・巨大化し、使用者の為に戦う。

道具・クマのストラップ

使用者・一ノ瀬 宮

ティラノ君のように自立は一応しているが、言葉を発することはできない。言語能力を持ち合わせているかも不明。

宮と悠理を護ることが使命であり、クマさんの全ての行動原理である。

次の日。


朝教室に来ると、殴られたような痣のある昨日のモブに話しかけられた。

確か、斉藤とか言っつたか。



勇太「お前、本当に昨日行かなかったのかよ!」


慎「お前場所言わなかったじゃん。」


勇太「お前のせいで殴られたんだぞ!」


慎「知るかそんなこと。」


栞里「なんだなんだ?」



また話に割り込んで来る。



慎「それに、昨日あいつら、わざわざ俺に会いに来たしな。」


栞里「昨日あいつらって……矢車たちの事か!」


勇太「でも分ったろう?アイツラには逆らえないんだよ!」


慎「あんなザコ相手に逆らうもクソもないだろ。」


勇太「あんなザコってお前……」


栞里「まさか追い払ったのか!?」


慎「まぁな。」


勇太「マジか……」



授業開始を告げるチャイムが鳴る。いいタイミングだ。俺は二人から離脱した。



昼休みが終わり、午後の授業。



担任「ん?斉藤はどこ行った?」



そういえば姿が見当たらない。まぁ、どうでもいいが。


結局斉藤は戻ってくることはなかった。




帰り際・下駄箱




靴箱を開けると、そこには手紙が入っていた。



慎「果たし状、ねぇ……」



差出人は矢車からだった。場所は……校舎裏か。

まぁ、当然相手にしないが。

よく見ると、もう一つ手紙が入っていた。



手紙「たすけて サイトウ」



この字は……書いたのはアイツ本人か。

アイツの話し方や、矢車たちの事を話すときのビビりようから察するに、アイツは虐められているのだろう。

俺があいつ等を追い返したと聞いて、あいつ等から抜け出せるチャンスとでも思ったのか。

ここに置いたのもアイツ自身だろう。さて、どうするか。報酬次第、といったところか。



彩愛「どうしたの?」


慎「見たい?」



一緒に帰る事になっている彩愛が手紙を気にして聞いてくる。隠す必要もないし、教えることにした。



彩愛「……。」


慎「こういうことだ。お前は真っすぐ、できるだけ速く帰れ。」


彩愛「分かった。」



さて。売られたケンカを買いにいってみるか。




校舎裏




矢車「来たな。」


景山「ひっひっひっ」


勇太「如月……。」


慎「よう。」



特に罠が仕掛けられている訳でもなく、普通にそいつら三人は校舎裏にいた。



矢車「昨日はよくもやってくれたな。」


慎「あれは弱かったお前が悪い。それと」



視線を斉藤に移す。



慎「『助けて』だっけか。報酬は?」


勇太「報酬?」


矢車「ほう……」



全員の視線が斉藤に移る。そして、矢車が斉藤の胸ぐらを掴む。



勇太「ひっ!?」


矢車「余計な事してくれてんじゃねぇぞ!」



そのまま投げ飛ばす。



勇太「がっ!」



壁に激突する。



慎「別に金じゃなくてもいい。お前を『助ける』ことに等価のものをよこせ。」


勇太「……じゃあ……」



斉藤はよろよろと立ち上がる。



勇太「なんでも、するから……」


勇太「『何でもする』から、助けてくれ!」



はい、いただきました。実は、ここに来た時からボイスレコーダーで全部録音してるんだよね。

だってほら、タダ働きは嫌だし、報酬内容を『忘れた』ことにさせないために。



矢車「おいおい、まるで俺達が虐めてるみたいな言い方じゃねえか。」



矢車が右手にメリケンサックを装備しながら、こちらによって来る。



景山「やっちまえ!」


矢車「『一点突破ピンポイント・クラッシャー』起動!」



やがてメリケンサックは光を放ち、ボクシングのグローブのような鉄の拳へと変化した。

ならば俺も。



慎「来い、村正!」



そのまま矢車に向かって駆け出す。



矢車「おらぁ!」


慎「よっ。」



ストレートをかましてくるが、真上に飛んで避ける。



景山「ごっ!?」


慎「よっと。」



遠くから飛来し、景山の後頭部に激突した村正を空中で掴み、地上に降り立つ。

景山は気絶した。



慎「村正、起動!」



鞘から抜き、村正を起動する。



矢車「はぁっ!」


慎「だから単調なんだって。」



突っ込んでくるのを、わずかに横に移動して避けてやる。

矢車は俺の後方にあった木に突撃し、その木は倒れた。

なるほど、効果は威力増強か。



矢車「ちょこまかと……」


慎「ロード、『頭脳の檻(ブレインケージ)』。」


矢車「何だこれは!?」



奴を取り囲むように『数式』が拘束する。

鎖のように絡んでくる数式により、矢車は身動きが取れなくなる。



慎「26元30次の連立方程式だ。解けるものなら解いてみろ。」



この拘束を解除するには、再度能力(ドライブ)を使うか、その数式の解を全て代入してやるしかない。

中一のガキ大将が解けるはずもなく、それは完璧な拘束具たりえた。



慎「無影無響……」



一度村正を鞘に仕舞い、大きく足を開き、腰を落として、居合の構えを取る。

奴を見据える。目で捉える。心で捉える。こころで、捉える(観測る)



慎「疾風……迅雷!!!」



次の瞬間。



誰も慎の動きを捉えることは出来ず。



ただ分かるのは、慎が矢車を挟んで反対側へと移動している事。



そして、仕舞われていた村正が抜刀されている事。



慎が矢車に背を向けて立っている事。



そして。



矢車「ぐ、はっ……」



ようやく斬られたことに気が付いた矢車は、意識を失い、その場に倒れ込む。



慎「鈍いな……倒れることさえも……。」



村正を一度振り払い、納刀する。

鞘ごと放り投げると、村正はひとりでに飛び立ち、帰って行った。



慎「さて。」


勇太「あ、ありがとう。じゃあ、お礼は今度……」


慎「『何でもしてくれる』んだよな?期待してるぞ。」



録音を聞かせてやる。



勇太「ゲッ……」


慎「そう都合よくいくと思うなよ。俺はお前の道具でも便利屋でもないからな。じゃあな。」



俺はその場を後にした。



これが、俺がこの学校で始めて解決した『依頼』だった。




次の日・教室



栞里「聞いたぞ慎!あの矢車たちを倒したんだってな!」


慎「早いな。どこから聞いた?」


栞里「彩愛から、昨日お前が矢車からの果たし状を受け取ったと聞いてな。聞けば、今日あいつ等は怪我で休みだそうじゃないか!」


慎「そうか。」


栞里「『あの矢車たちを成敗してくれた』ってことで、他の学年にも名前が轟いているそうじゃないか。掲示板でも盛り上がっていたぞ。」



流石に情報出回るの速くね?昨日の今日だよ?



栞里「中にはお前に憧れる奴も出てきているし、ファンクラブまで作られた。」



いや流石に早すぎんだろ。なんなの、このどうでもいいことにしか働かない団結力。



栞里「そこでだ!私は考えた!」


栞里「部活を作ろう!」


慎「そうか。がんばれ。」


栞里「最後まで聞け!この部活はな……」


栞里「お前が色々な人の手伝いをする、というものだ!」


慎「なぜそうなる。俺はタダ働きをするつもりはない。」


栞里「ならば依頼料も取ろう。安心しろ、私が副部長をやってやる。」


慎「部長は?」


栞里「当然、この学園のヒーローことお前だ!」


慎「俺は彩愛を護らなきゃならない。そんな暇は……」


彩愛「私なら大丈夫だよ。この話だって、私と栞里ちゃんで考えた話だし。」



ぶっちゃけ、この部には特に興味は無い。が、暇つぶしとしてはありかもしれない。

それに、報酬を高く設定すれば、俺の人気も下げることができる。一石二鳥か。



慎「ハァ……分かった。」


栞里「それと、部を作るには最低4人、だったな。どこかにいい人手は……」



これだ。

おい斉藤。あからさまに目をそらしても無駄だ。



慎「おい斉藤。『何でも』してくれるんだろう?」


勇太「だからって、俺にもできることとできないことが……」


慎「部の設立願いに名前を書くくらいできるよな?」


勇太「え、いきなり何の話……」


慎「問答無用。」


勇太「あ、ちょ、腕を引っ張るな!」




その後、色々と面倒なことがあり、『文化研究部』として設立。

顧問も適当に見繕い、知り合いであった天音と再会してからは天音にやらせていた。






現代・文研部部室






慎「とまぁ、ざっくりとこんな感じだ。」


乾介「なるほど……」


早苗「それで今の文研部がある、と。」


魔理沙「なかなか粋な話じゃねぇか。」


霊夢「アンタも大変ね。」


勇太「ああ。ホントだよ。」


彩愛「あの頃は、私と慎くんもあったばかりで、あまり話してなかったよね。」


栞里「懐かしいな。あれからもう4年も経つのか。」





俺達がこうしてくだらない話をしている頃。



また一人、幻想郷の住民が、現代に迷い込んでいた。



いや、正確には幻想郷の住民ではないが。



そんなことはどうでもいい。



二振りの刀を携え、白い髪の少女は呟く。



少女「えっと、ここは……?」

どうも、観測者Sです。今回も読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、文研部がいかにできたのか、というお話でした。お楽しみいただけたのなら幸いです。

今後の投稿ペースについて。

以前、『ストックがなくなった』的な説明をさせていただいたと思いますが、それに加え、リアルで結構忙しくなってきてしまいまして。

定期的に投稿、というのは場合によっては難しくなりそうです。

週一に投稿しようと思っても、結局できなかったこの体たらく。

ほぼ毎回不定期になるかと思いますが、気長に待っていただけると嬉しいです。

感想・その他ありましたら、ぜひコメント欄またはTwitterの方までいただけるとうれしいです。

それでは、また次回で。

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